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恋のドレスと運命の輪―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー
  あけましておめでとうございます。
 今年もなんとか、読んだ本のメモ程度でも続けていきたいな〜、と、思い出しては書き込む状態になりそうですが。よろしくお願いいたします。

 新年一冊目は『恋のドレスと運命の輪』。シリーズ7作目である。
 読んだのは去年なんだけどキニシナイ(汗。

 5巻で揺れ動いたクリスをしばし慰めるように、6巻『恋のドレスと硝子のドールハウス』と、この7巻では闇のドレスを駆使する謎の女は登場しない。
 かわりに、というか、近代以降のイギリスを舞台にした小説に時々見かける、アメリカ青年が登場する。型破りでタフで、礼儀知らずで。心に決めた目的に突き進んでいく。
 この話のラリーも例外ではない。
 ドレスを頼むサーシアが色々飲み込んでしまう大人の女性であるだけに、話に動きを持たせるには効果的なのだが。そういう役割ばっかりではないところが、この話らしいところだと思われる。

「(略)……昨夜、何かあったのかな」
「そんなのじゃないと思うわ。もともと仲が良かったのよ」
「そのわりには、ちっとも話してなかったけど」
「たくさん話せば通じるというものではないわ」
「……うん」
 ラリーはうなだれていた。サーシアは手を伸ばして、ラリーの手に軽く触れた。

 
『恋のドレスと運命の輪』207ー208p

 クリスの作るドレスに、なにかを引き出されるのは、身にまとうレディばかりではないのであった(笑)。
 そしてサーシアが大人だけに、ひとり抱くやりきれない思いは強い。ラストシーン直前で完成するドレスは幾つもの思いを含んで美しく、繊細でありながら、どこか重かった。 単純な成就では終わっていないのだが、なにがしかラリーに通じるものはあり、幕切れでは、このふたり次第で十分うまくいくだろうと思わせてくれる。

 そして、まじめなふたりらしく、人前では親しい様子もみせないクリスとシャーロックの間柄は、決定的なことは何もなく(笑、物語はふたたび上流階級の社交界にもどっていく暗示で終わるのだ。

 ……続きを、予約しなくては。図書館は5日からだけどね。

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| 折原偲 | ライトノベル | comments(0) | trackbacks(0) |
恋のドレスと硝子のドールハウス―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 6
 ヴィクトリアン・ローズ・テーラーの6冊めである。図書館でだいぶ待ちましたが、ワタシが今読んでるなかで最も乙女成分の高いシリーズなのだ。さすがだ……(いみふめい)。
 前巻の事件以来、仕立ての仕事を受けなかったテーラー『薔薇色』に、新しいお客がやってくる。
 不思議なことに、後見役の従者を従えてやってきたのは弟だという少年で。姉のかわりにかれが着て、求婚者を引き付けておくために、恋のドレスを注文すると言うのだ。
 『薔薇色』のドレスは、そんなことでできるものではない。5冊読んできた読者はよく知っている。
 期待は裏切られはしない。
 採寸に訪れた郊外の館に住む、華奢で美しい、男女のふたご。
 どちらも女の子だったら、かえって幸せだったのだろう。
 高名な軍人の父は子供たち、ことに息子の体の弱さを受け入れられず、やみくもに強さを求め、やがて失望し、子供たちを顧みなくなる。
 しかし気管支の病が治らず我が儘放題に育った美少年が出てくるなんて往年の少女漫画のようであることよ。
 姉は病も癒え、弟のためにも結婚しなくてはならないと決意する。
 しかし弟にふりまわされ、自分の思いも口に出せない姉の話かと思って読み進めば、物語は思わぬ絡まりを見せる。 闇のドレスがやっぱり絡んで来るのだが、そのあたりの過去話は時間ぎれ次回に続くって感じで(笑)。
 長年の不在から帰還したのに、会う間もなく戦場に戻って行った父は、今までと違う言葉を残していく。姉も弟も、少しずつではあるが変化を見せる。

 そしてもちろん、クリスとシャーロックの気持ちも変化していく。ほんとに、少しだけどね(笑)。
 あの姉と弟がどう変わるのか、ちょっと見てみたい気がする。この先、出てくるかどうかは、わからないけれど。こういうふうに生まれついたのだから、どうしようもない、と片づけてしまわず、ドレスを注文した令嬢が内に秘めていたなにかをひきだす、『薔薇色』のクリスのドレスのような話だった。

 さて、次の巻を予約しなくてわ。

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| 折原偲 | ライトノベル | comments(0) | trackbacks(0) |
身代わり伯爵の冒険 (角川ビーンズ文庫 64-1)
 いやぁ、アキバにブックオフができてたとは知らなかったヨ。
 ひさしぶりに都内に出た帰りに寄りました。

 めあては他にあったんですが、ブレイク中らしい男子向けアニメの原作漫画が棚に残っているはずもなく。
 ていうか立ち読み客がぎっしりで驚いた(汗。
 これじゃ新刊売れないワケだよ……。

 といいつつ、なにも買わないのも寂しいので、文庫・新書フロアをさまよい、みつけてしまいました。
 もう図書館順番待ちで二ヶ月ばっか待ってる《身代わり伯爵》シリーズを、4冊。

 ビーンズ文庫なのでBLとは縁もゆかりもありませんよ、ねんのため(笑)。

 読みました。4冊読み終わりました。中断はあったけど、3時間ちょい、くらい。
 途中で「アレこれダレだっけ」が発生しましたが、かまわず読み続ければ、娯楽小説の場合、だいたい解決するわけで(笑。

 いやまあ、面白かったです。
 ライトノベルってこういうものだったな、と、思いました。

 ファンタジーと書いてはあるけど、架空歴史物はファンタジーとしか分けようがないもんな(笑。王がいて貴族がいて、貴公子と姫君がいる世界で、おもな舞台は宮廷で。話の背景というか、具体的に起こってる事件は宮廷の陰謀なんですが。
 話の主人公は、まきこまれる元気少女です。パン屋のひとり娘、庶民の育ちで、雄々しくて天然で奥手で(笑。いやもう、この主人公のミレーユのキャラが立った時点で、この話は成功なんじゃないかな。

 なんで庶民のお嬢ちゃんが身代わり伯爵なのかっていうと、生き別れの双子のお兄さんがいて。お兄ちゃんが養子に入った先が公爵家で、あとつぎは伯爵なんだな。
 ある日、ミレーユのところにたよりが来て、つれてかれてしまうのです。なんかずっと文通してるんだけど、この子たちは。いやそれはともかく。
 お兄ちゃんが駆け落ちしたので、しばらく代役をつとめてくれという。
 体格も幼いというか目立たないし(笑)、みすてておけないし、と、引き受けてしまったミレーユは、予想もしなかった宮廷の陰謀を目の当たりにし、巻き込まれることになるのでした。

 てなもんで、それぞれの巻で華やかな宮廷、いつしか忍び寄る陰謀、ひきおこされる争いと、後始末が語られるわけですが。
 シリーズをひっぱる大きな力になっているのは、ヒロインと相手役のじれったいような進展と、その恋の帰趨なんだと思いますね(笑。これがたぶん、コバルト読んでた人たちが成長してみんなレディコミとかハーレクインに行くかってーと、そうでもないという、日本の女性読者の求める話のツボなんだろうと思います。
 いや美形どうしの陰険漫才すれすれのやりとりとか、華やかな宮廷の人間ドラマとか、そういう部分もワタクシは好きですが、正直、いままで語り尽くされてきた感はあるのですよ。シリアスでヘヴィな話は陳腐化するのも早いし。

 奥手な恋の行方ばかりでなく、謎めいた相手役の正体とか、いろいろ進展するシリーズは好評継続中で、10月頭(実際には今月末刊行)には6巻も出ちゃうんですよ。

 ……あと2冊は新刊で買うかな(汗。

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| 折原偲 | ライトノベル | comments(0) | trackbacks(1) |
Calling 1 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS K 1-1)
評価:
柏枝 真郷
幻冬舎コミックス
¥ 930
(2008-08)
 作家買いの新刊だし、読物としては悪くない。
 しかし読後、コピーにまとめたくなるようなポイントがないのだ。自分としては。
 9.11を、その後を生きる若者を書き続けることに意味はあるのだろう。この作家の原型であるJUNEもの(市場的に言うとBL)の系譜につながる《硝子の街にて》、一般向け多分1作め『PARTNER』に続く三回目だとしても。
 読者としてのワタクシが《硝子の街にて》、さらに遡る《デスペラード》を忘れられないせいだろうとは思う。この2作のような訴求力は感じられないのだ。残念ながら。

 主人公の次郎は、大学受験で燃え尽きてドロップアウトしかかっている、日本人としてはどこにでもいそうな若者なのだが。逃げるように選んだ留学先のニューヨークで、9.11を生き延びる。それが彼をして、消防士として生きる道を選ばせるのだ。
 しかし共に生き延びて伴侶となった女性との関係が、ぴんと来ないのだ。ふたりで体験を共有しあう関係も、悪くないと思う。生きていくのに必要ならば。ただまあ、このままだとタイトルのCallingにふさわしい変化を主人公にもたらすためのお膳立てっぽい印象が拭いきれない。
 もちろんまだ1巻だし物語は始まったばかりだ。
 今後に期待するってことで星4つ(笑)。
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| 折原偲 | ライトノベル | comments(0) | trackbacks(0) |
恋のドレスと薔薇のデビュタント (コバルト文庫―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (あ16-11))
 どこまで読んだか忘れてたシリーズを偶然、図書館の書架でみかけたので中身確認できて借りてきた。フと手にとって読了。

 最近読んだり見たりした文章が脳内で無秩序に関連づけられるのでアレなんですけど。
 子供の頃、学校がいやでいやでしょうがなかった、という話を、大人になって親御さんにしたら、学校を変わる手もあったのに、と言われて。そんなことができるとは知らなかった、と愕然とした、という話を、たしか誰かの日記で読んだんだと思います。
 (違いました。リチャード・ドーキンス『神は妄想である ――宗教との決別――』の「はじめに」でした。読みかけです。てこずってます。)

 デビュタントっていうと社交界にデビューしたばかりの、上流階級の令嬢のことなんですが(説明不要な気もするが)。だいたいにおいて世間知らずなわけですね。まあ18やそこらって年齢的なこともありますが、何も知らないほうがヨイ、という教育方針が一般的であったせいもあるわけで。こういう年代を舞台にした小説を読んでると、ここで知っている人、というか世知に長けた人の助けがあればと思うことが実にたびたびあるわけで。
 このシリーズは、着る人の魅力をひきだすよう作られた「薔薇色」のドレスを着ると恋が成就する、という伝説が軸になってるんですが、そこに集まってくる人々が、お医者さんとか弁護士さんとかで、後の巻でも事件の解決とか、物語の具体的な部分を支えていて。
 ドレスメイカーというかテイラーのコンセプトの対立が、結局気持ちの問題なので、話を大きくすると超自然めいた色彩をおびてしまうのですが。それとバランスをとるようになってるかな、と思います。

 しかもできることには限界があり、万能じゃないとハッキリしているところがまたいいんだな。
 この巻だと……冴えないけれどクライアントを忠実に支えるメイドに、「薔薇色」の売り子のパメラが目配りしてるところとか。できる範囲だけど、できるかぎりのことをしてあげてるのが、またいいのです。
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| 折原偲 | ライトノベル | comments(0) | trackbacks(0) |
『パラケルススの娘 1』 (20050528)
パラケルススの娘 1
五代ゆう/岸田メル
MF文庫J/メディアファクトリー 2005年5月
609円 ISBN:4840112630
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作家名デフォ買い、文庫は久々と思ったら十年ぶりだそうですよ。
| 折原偲 | ライトノベル | comments(0) | trackbacks(0) |
『終の神話・人祇の章』(20050227)
『終の神話・人祇の章』霜島ケイ/西炯子
小学館キャンバス文庫/小学館 2005年3月
670円 ISBN:4094305785
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いよいよの最終巻。
| 折原偲 | ライトノベル | comments(0) | trackbacks(1) |
『緑なす丘に我らは歌う ヤンノレク騎士団年代記』(20050227)
『緑なす丘に我らは歌う』ひかわ玲子/おおや和美
パレット文庫/小学館 2005年3月
520円 ISBN:4094214429
bk1 Amazon 楽天ブックス

新シリーズ。ワタクシ的にはX文庫のセリセラ以来かな。おひさしぶりな感じで。
| 折原偲 | ライトノベル | comments(0) | trackbacks(0) |
『彩雲国物語 漆黒の月の宴』(20050225)
『彩雲国物語 漆黒の月の宴』雪乃 紗衣
角川ビーンズ文庫/角川書店 2005年3月
500円 ISBN:4-04-449905-5
bk1 Amazon 楽天ブックス
| 折原偲 | ライトノベル | comments(0) | trackbacks(0) |
『暁天の星 鬼籍通覧(1)』
暁天の星 鬼籍通覧(1)椹野道流/山田ユギ
講談社X文庫ホワイトハート/講談社 2004年12月
725円 ISBN:4-06-255768-1
bk1 Amazon 楽天ブックス

はっと気が付いたらシリーズ長くなってて、手を出しかねてた作家さんなんですが。新シリーズだってんで、書店でパラ見して気に入ったので買ってみたもの。主人公はビジュアル系?らしいんですけど、脇キャラのメインが地味な女性、しかも法医学者だったのも大きかったかな。ちょろりとボーイズラブっぽい味付けはありますが、味付けだけ。
中味はまあ法医学教室を舞台にした謎解き、ちょっと不思議、って感じです。解剖の描写はわりと具体的なので、そういうの苦手な人には向かないかな。わたしはあまりリアルに想像しないほうなので、世話物系の手慣れた感じで、スルリと読了。いや楽しめたんですが。
長編にするには職掌から踏み出さなきゃいけない、それはわかるけど……ちょっとここまでは、というモヤモヤはいかんともしがたい。いや、好みの問題だと思いますがね。

| 折原偲 | ライトノベル | comments(0) | trackbacks(0) |
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