なんでも本棚。

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『ゲド戦記』岩波少年文庫版
評価:
アーシュラ・K. ル=グウィン
岩波書店
¥ 756
(2009-01)

評価:
アーシュラ・K. ル=グウィン
岩波書店
¥ 714
(2009-01)

  児童向けの枠で出版された本でも、大人が楽しめる、というか、ほんとうにいいものは誰が読んでもいいんだと思うが、多少の難点はあるわけで。
 ひとつは価格である。そしてサイズ。
 いやサイズと装丁が先に来るのだろう、子供のための本は字を大きく、丈夫に作らないといけないし、またごく僅かの例外を除いて大人向けの本ほど短期間にたくさん売れるものではないので、単価は高くなってしまう。
 『ゲド戦記』は大人むけの体裁の本も出ていたのだが、なかなか文庫並の価格までは落ちてきてくれなかった。
 やっと、手の届くところに、という感のある少年文庫版が、1月15日に刊行されている。
 とりあえず2冊『影との戦い』『こわれた腕環』と。

 この2冊はなんというか、自我の確立と、自立の物語として、じつに素晴らしいのだ。
 ル=グゥイン作品のなかでもごく初期のもので、文化人類学的な見識が活かされ、単純化された世界の構図が物語を際だたせているのだが。そのあたりに意見のある大人はいると思う。現代では。
 しかし、頭で考えるのを休んで、虚心に物語と向かい合うことができれば、このうえない体験になると思うわけで。
 読んだことのある大人は身の回りの中学生に勧めましょう。
 読書癖のある子なら、小学校高学年から。ふだん本読まない子なら、高校生でも。

 アニメはまったく別のハナシなので、参考になりません。ねんのため。

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| 折原偲 | ファンタジー | comments(0) | trackbacks(0) |
死者の短剣 惑わし (創元推理文庫)
評価:
ロイス・マクマスター ビジョルド
東京創元社
¥ 1,260
(2008-12)

  ビジョルドだ、ファンタジーだ、と嬉しかったのですが、価格に負けて図書館で予約。
 借りてきてその日に読み終わったんですが。

 いや面白かったですよ。ファンタジーで、こってりロマンス小説で。堪能しました。
 しかしまあ続き物と分かっちゃいましたが、ファンタジー世界がこれからどうなるか、ってハナシがさっぱり始まってない気がします。

 この世界には悪鬼がいます。心に働きかけて人間をとりこにし、また、動物をとらえては人じみた姿にこねあげて言葉まで喋らせる悪鬼の、ほとんどいかなる攻撃にも死ぬことのない肉体は、この世界の土からできているのだといいます。
 ただひとつ、悪鬼をほろぼすことのできる武器が、死者の短剣です。
 しびとの骨からできるというそれを帯びている警邏隊員がいるおかげで、悪鬼の手先や盗賊の跳梁する街道も、どうにか機能しています。
 危険きわまりない街道を、ヒロインのフォーンがひとり辿っているところから、物語は始まります。
 わけありで生まれた家を離れ、街道の先にあるという街をめざして歩く彼女はやっぱり盗賊に襲われ、悪鬼のもとに連れ去られかかりますが、そこで警邏隊員のダグが、やっと追いつきます。

 左手ばかりか大事な人たちを失ったダグが、年半分くらいのフォーンに出会って、失ったと思っていた何かを蘇らせる話であり、世界のどこにも寄る辺なかったはずのフォーンが自分の価値と、居場所を見いだす物語であるのですが。悪鬼に苦しめられる世界にも何かが起こったはずなのに、そっちのハナシはとうとう始まらないまま、この巻は終わってしまいました。
 いや、まあ、人間が個人として生きられる社会、というのは、現代になって初めて実現したもので、それ以前は、家族や同職集団や、さまざまな集団に組み込まれなければ生きていくことも難しかったわけで。女性の場合、集団に組み込まれるには、誰かの連れ合いになるか、妾になるか、娼婦になるか性的な立ち位置を決める必要もあったわけで。男女関係にはラブ・アフェア以上の意味があるはず、なんですが。そこにロマンティック・ラブの物語を組み込んで読ませるのがロマンス小説なわけで。
 さすがビジョルド、背景説明をロマンスで語らせて飽きさせません。
 ただまあ、身体感覚の描写は切っても切れないので、そのへんは要らない、というひとには厳しいかも(笑。
 次はどうするかな〜。読みたいけど、もちろん。図書館ですな(汗。

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| 折原偲 | ファンタジー | comments(0) | trackbacks(0) |
駆け出し魔法使いとはじまりの本 (創元推理文庫)

評価:
ダイアン デュエイン
東京創元社
¥ 945
(2008-10)
 面白かった。
 むりやりコピーを考えると……「駆け出しでも魔法使い! いま何が出来る?」ってとこかな。
 基本、児童向けっていうか、十代前半のYA対象だと思うので、そういうのも面白く読める人向け。
 ほかの創元推理文庫の翻訳ファンタジーはおおむね一般向けなので、この本は児童むけの体裁で出したほうがよかったんじゃないかと思うくらい。

 「ファンタジー好きだったよね?」と聞かれて嬉しくないファンタジー好きは少ないと思うのだが、その次の質問が実に悩ましい時期、というのはしばらくあった。

 「ハリー・ポッターみたいなのもっと読みたいんだ。ああいうの、ない?」という。

 まあなんというかハリー・ポッターが爆発的に売れたのは、ああいうの、これまで無かったからなんですけどね(笑。ファンタジーと一口に言ってもいろいろだし、また、ハリポタのどこが面白かったんだか、個人差もある。それでもファンタジー好きは増えてほしい。だから悩む。

 てなワケで同様の質問に、アメリカの図書館司書がお薦めにあげたのが本書なんだそうである。

 なるほど、共通点は多い。図書館というから、尋ねるのは子供がおおいんだろうと思う。

 まず、子供が主人公。いじめられたりとか、家庭環境とか、自分ではどうにもならない問題を少なからずかかえている。
 それまでまったく知らなかった魔法の世界に足を踏み入れるという、ドラマチックな展開がある。
 魔法の力は生得の才能で、方法論を学べば技能として習得できる。

 似てる要素はこれくらいかな。

 魔法の才能は血統で受け継ぐものではなく(<ここ重要)、技能は自ら学ぶものなので、寄宿舎つきの学校は登場しない。魔法の授業はないけど、いきなり魔法を使う、あるいは使わねばならない場面に放り込まれるのである。
 導きの書はそれぞれ現れるのだが、各人、生活のなかで、魔法の技を磨くわけで。もちろん社会のあちこちに、さまざまな魔法使いたちが紛れ暮らしていて、導きを求めれば得られることもある。

 いやまあ、魔法の力でいじめっ子をやり込める場面もあるんだけど。
 やりっぱなしで寄宿学校に行ってしまえるわけではないし、フォローされているのが自分的には最大の違いかも。

 また、このあたりが図書館司書をはじめとする、大人の本読みに好まれる要因ではないでしょうかね。
 いったん完結したシリーズがリクエストで再開されたのは喜ばしいことです。
 続きは買うかなあ。たぶん。
 それより続刊出るまでに『ホアズブレスの龍追い人』を読め自分。

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『オーバーン城の夏』(2分冊)
 ルルル文庫はライトノベルのレーベルなので、この本もライトノベルなんだけど、なにしろシャロン・シンなのだ。『魔法使いとリリス』の。
 いや、あれはハヤカワ文庫FTで、そぎおとされ絞り込まれた話だった。題材にも合っていた。
 こちらは2分冊とやや長く、ライトノベルだから対象年齢は中高生以上、主人公も若いし、書かれかたから違うわけで。
 主人公は少女、いや、語り始めはむしろ子供だ。祖母に薬草のまじないを学ぶ見習いで、村で暮らしているけれど、夏だけ、オーバーン城に行く。行方知れずの母親がコナをかけた男が、大貴族の当主だったから。

「いくつかの種類のほれ薬があるんだけど、作りかたを知ってるのは一つだけ。よく効くんだけど――なんて言ったらいいのかな――あなたのいいところや魅力に目を開かせる、ただそれだけなの。そのひとにあなたのことを気づかせてはくれるけれど、ほれさせるわけじゃない。それは自分でしないとならないの。にせものの欲望を生み出す薬もあるわ。だけど、わたしはそういうのは作り方を知らないの。……知っていても、そんなの作らないけれどね。そういう薬作りは、わたしはしないの」
 ちょっとお上品ぶって付け足した。

上巻245ページ
 城内で初めて薬作りの依頼を受けた時の、このくだりは象徴的だ。自分のわざに害がないことを証だてるため、コリーは自ら言い出して、この薬を飲んでみせる。
 その効き目ばかりではないのだろうが、これ以後コリーは、ものの見方を変えていく。
 貴族であっても、ひととして望みのままに生きることは難しく、またその制約の多い生活も、数多の犠牲のうえに成り立っている。たとえばフランスの伝説のフェイに似た超自然的な種族アリオラが与えてくれる慰めを必要不可欠としながらも、奴隷としてかれらを拘束し使役していること、かれらの苦しみには目を向けようともしない。鷹や犬ではない、人と変わらないアリオラを狩り、奴隷として売買することを良くないと感じていても、正そうとはしない状態。それは、おのれより弱い立場にある人間を、意のままになる道具と扱う貴族社会の写像にほかならない。
 貴族社会の頂点であるはずの憧れの王子様ブライアンの本性が、徐々に明らかになる。コリー自身に目を向けてくれた(真意は別にあるとしても)叔父のジャクソンが、叔父自身の望みと向き合い変わっていく過程を目の当たりにして、コリーもまた、わきまえのない子供から、ひとりの大人に変貌していく。
 見たもの聞いたものをそのとおり受け取る、言ってみれば無垢な状態から、隠された何か――誰かに寄せるせつない思いや、絶望にちかい願いに気付き、思いをいたすようになっていく、その変化は実に見事だ。
 導入部の子供っぷりも見事なのだが、読むにはいささか厳しかった。アリオラのいる自然を描くにはこの分量が必要なんだろうとは思うが。ここでストレートに感情移入できないのは、ひとによっては厳しいとおもう(汗。

 以下、やや内容に踏み込むので折り畳んでおきます。
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四方を統べる神 (ハヤカワ文庫 FT エ 1-50 ドラル国戦史 1)
評価:
デイヴィッド・エディングス,リー・エディングス
早川書房
¥ 714
(2007-10)
 友人のブログでみかけて、いつか見てみなくてはと思っていたエディングス夫妻の新シリーズ。リー・エディングスさんが亡くなられたので(魂よ安らかに)共作としては最後になるらしい。

 タイトルの1巻と2巻『蛇民の兵団』で原書一冊分だそうだ。

 エディングス夫妻は《ベルガリアード物語》《マロリオン物語》で、《魔術師ベルガラス》《女魔術師ポルガラ》で。同じ歴史を3度(《マロリオン物語》はいちおう別の話として書かれているので)語ってるわけで。

(たららんと書いていて気がつきましたが、既刊シリーズについては厳しくいうとネタバレしてたので、折り畳んでおきます。)
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故郷に降る雨の声 下―バンダル・アード=ケナード (3) (C・NovelsFantasia こ 1-6)
 珍しく新刊書店で買ってきて、さて読もうと思ったら、これ下巻なのな。
 買った本を置いておくあたりを探したら、出てきたのは『あの花に手が届けば』。第二部だよこれ(汗。あやうく『故郷に降る雨の声 上』を注文するところでしたが、あやうくふみとどまりました。オンライン書店の注文履歴に入ってたので。ダメじゃん自分。
 捜索範囲をひろげて発見、三冊ほぼ一気読了。いや、面白かったです。
 好きな作家で好きなシリーズだし、わたしは楽しいんだが、読者は選ぶかもしれない。
 架空世界の架空文化の架空戦争なのでファンタジーにしか分類しようがない感じで。また、そこがリアル戦史が好きな人にはかえってひっかかりどころ多いかもしれないし。
 新しい仲間ができたり、いろいろあるんだけど、傭兵隊の、だいたい戦場の日々を描いていく話で。いやまあ局地戦を生き抜く中隊規模の傭兵隊なら当たり前だろうが、話の大きな柱ってか、どこに行き着くか先が見えないんである。そのなかで展開される人間ドラマがストーリーの眼目な訳だ。毎週襲ってくる敵とひたすら戦い続けるロボットアニメとちょっと似てるかもしれないが、かなりマニアックかなあ。
 1を読んでからだいぶ経つので、大筋忘れてるだけかもしれないけどね。
 いや、極限状態の体験を共にすると、強固な絆ができるはずで。そのつながりがもっと読みたいと思うのは、キャラ主導の物語好きには自然なことだよな。

 マニア度含めて星5つ(笑。つづきがたのしみです。

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ドレスデン・ファイル―魔を呼ぶ嵐 (ハヤカワ文庫 FT フ 14-1)
 ドレスデンたぁドイツの地名じゃなく、魔法使いの名前なわけで。
 21世紀末のある日から、突如として魔法が現実のものとなったアメリカで、魔法よろずトラブルコンサルタント、つまり私立探偵をやってる魔法使いのファーストネームがハリーなのは、発表年代からして偶然と思われる、と、後書きにはある。
 壷直し少年と共通項があるとすりゃ、魔法のスタイルかもしれない。体系化され、インプットとアウトプットが一対一で対応しているような、そんな魔法だから。
 大きな違いは、ドレスデンは大人で、自分の本質である魔法と向かい合い、仕事として魔法とかかわり、実社会で生きているってことだ。
 そして情動の望むまま留まることはせず、なすべきことをなす。徒手空拳同然で死地にむかうのだ。
 これは英雄のすることだなあ、と、思うのだ。
 このセンでもハードボイルドがサマになっていて、なかなかである。同時並行の事件が収束していく展開が手に汗握ると同時に、気を抜けず、勢いで一気読了。面白かった。
 強いて言えば、これはアンノウン型なんだろうな。その辺が自分としては物足りないところだ。先月出た2巻に堺三保さんが解説書いたってんで去年出た1巻を読んでみようと思った訳ですよ。図書館で予約待ちはなかったし。
 新刊当時は……実は文庫FTの魔法探偵スラクサスは挫折したしマジカルランドはもう買わなくていいやってなもんで手をだしかねてた訳で。

 まあ、ハードボイルド好きなのと、それほどムリせずハードボイルドに合う近未来世界なのが大きかったかもしれません。
 ファンタジー好きでもハードボイルドいまいちな人には難しいかな。

 自分も買えばよかったってほどではなく。図書館にハヤカワ新刊入るのは2〜3ヵ月先なので、悩みどころです(笑)。
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| 折原偲 | ファンタジー | comments(0) | trackbacks(0) |
『盗賊の危険な賭 上 エイナリン物語第一部』(20050528)
盗賊の危険な賭 上
ジュリエット・マッケナ/原島文世訳
C★NOVELS/中央公論新社 2005年4月
1,050円 ISBN:4125008973
bk1 Amazon 楽天ブックス
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『それでもあなたに恋をする エネアドの3つの枝』
それでもあなたに恋をする
雷雨だか雹に気づかず読了。コバルトで中世西欧ふう異世界ファンタジーなので、そのテがダメな人には向きませんヨ。しかしそのテとしては到達点のひとつかもなあ、と思うのは。最近ハーレクインロマンスが読めるようになり(恋愛以外に何か起きる話に限られますが)、中でも特にヒストリカルをさんざっぱら読んだからなのだろう。
いや、ヒロインが寂しさを紛らわすために食べてしまうのだけれど、それはそれと開き直れず、辛い目にあったところで一念発起、痩せてきれいになって再登場するところからハナシが始まる、というのは実にお約束、おきまりのパターンである(笑。
何でぇ、お約束かい、と言うなかれ。お約束を期待する読者が、それを見事にこなした上で面白い作品に魅了され、喜んで次も買うからハーレクインは出続けベストセラー作家も輩出されるのだが、それはさておき。
種類は違うがコバルトにもお約束は存在する。ハーレクインとの差は、破天荒なほど部数がのびる傾向が見受けられるあたりか。まあそれはアニメ後、ライトノベル既成ジャンル後の読者層が主に買い支えているからこその独特のカラーで、ロマンスとしてウェルメイドと感じられる、バランスのとれた作品は、いまひとつの感があるのだ。
著者は《楽魔女》シリーズ以前にも『太陽の石 月の石』など、バランスが心地よい作品をものしていたのだが。本作でもそれは健在だ。ヒデえことを言ってくれた少年のことを忘れられず、意識すればするほどそらごとを言いジタバタしつつも、出自のつとめを忘れないヒロインの、いっそ純朴といっていい思いやる心を忘れないエピソードを積み重ねる手際、そして重ねすぎないところが心地よい。
「三つの枝」の残りふたつとおぼしき女友達キャラに大ヒットシリーズ《楽魔女》の香りが感じられ、これはコバルト的にもイケるんじゃないかなあと思うのである。ま、期待大な感じ。

『それでもあなたに恋をする エネアドの3つの枝』
樹川 さとみ/木々
コバルト文庫/集英社 2005年5月
540円 ISBN:4086005948
bk1 Amazon 楽天ブックス
| 折原偲 | ファンタジー | comments(0) | trackbacks(0) |
『時の彼方の王冠 デイルマーク王国史4』(20050327)
時の彼方の王冠 デイルマーク王国史4ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/三辺律子訳
創元推理文庫/東京創元社 2005年3月
1029円 ISBN:448857209X
bk1 Amazon 楽天ブックス

四部作最終巻です。といっても2と3がまだですね。未読なんですよ……
| 折原偲 | ファンタジー | comments(0) | trackbacks(0) |
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