なんでも本棚。

まあちょっと欲しいかなと思った本とか、最近気になってる本とか、いろいろ。
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タルト・タタン、その他の夢
  下町の片隅にある小さなビストロ、パ・マルのシェフは三舟忍という。
 長めの髪を後ろで結び、無精髭をはやして、無口なありさまはシェフコートを着ていてもサムライのようなありさまである。十年以上も修行していたフランスで「ミフネというからにはサムライなのか」と聞かれるあまり、そのようにしたのだという、伝説ともつかない曰く因縁が語られている。
 フレンチといっても家庭料理主体で、カウンター7席、テーブル5卓と小規模なのと、オープンキッチンも手伝って、お客にあわせたメニューを供するのが、パ・マルのいいところだろう。
 多彩な家庭料理の食材、料理法を熟知してるだけでなく、お客の状態を見て状態を推理し、即座に組み合わせることができなくては、なかなか上手くいくものでないのだ。
 その能力を料理以外にも発揮するのが、この短編集である。
 ハッピーエンドの、何ていうか、いわゆるいい話ばかりでないのがいいんだな。喪失のやるせなさも正面から描かれる。ひとときの味わいのために手間隙かけられた料理の存在が、きっかけでもあり救いでもあるのだ。
 『リストランテ・パラディーソ』の絵で脳内動画にならなかったのは、やはり日本的な話であるからだろう。かといって『おいしい関係』の槙村さとる絵にもならないんだけどね。

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| 折原偲 | ミステリ | comments(0) | trackbacks(0) |
ディー判事 四季屏風殺人事件 (中公文庫)

評価:
R・ハンス ファン・フーリック
中央公論新社
---
(1999-05)
 いったい何社から出ているんでしょう、ディー判事シリーズの中公文庫版。検索したかぎりでは、これ一冊だけでした。
 ウェイピンの知事にして高名な文人トン・カ ンは深い悩みにとらわれ体まで朦朧の淵にある。そこにやってきたディー判事、ほんの骨休めのつもりが、思わぬ事件にかかわることとなる。
 四季の光景を描いた屏風のもたらす予知夢と凶兆の物語は美しく、ま た中国の古典的な怪異譚としてサマになっているのだが。ディー判事の暴いてみせる内幕と実相は、浅ましくも物悲しい。ままならぬのが世の中よのう、という気持ちにさせられる。伍長の処遇のように、救いのある部分もあることはあり、やるせないばかりではないのだが。
 読み終われば、どれか1冊ならば、と、選ぶに足るデキと納得するのだが。
 カバーアートがなんというか原書の挿絵で、ふさわしく古めかしいのだが、事件の卑俗な面を想像させるので(笑)。新刊でこれ見てたら……買わなかっただろうな。 なるほど事件は社会の上層から下層までを容赦なく横断し、赤裸々な実相を暴いてみせるから、カバーで期待してたら、裏切られることはないんだけどね。なにぶん、むかしの話だ。
 また、発表当時、ミステリはまだまだこういう読み物として求められていたので、求めに応じて、このようなイラストがかかれたよし。

 なるほろ(汗。

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| 折原偲 | ミステリ | comments(0) | trackbacks(0) |
北雪の釘 〔HPB1793〕

評価:
ロバート・ファン ヒューリック
早川書房
¥ 1,050
(2006-11-15)
 いつものディー判事シリーズ、自分的には6冊目。
 このとき官吏としてはいまだ少壮の四十七才、第五の任地・北州県の知事で、のちの語り種になるほどの怪事件を3件、片付けるわけですが。刊行当時はミステリといってもエロとか猟奇なものが求められて いた時代だったんだそうで、美女の首なし全裸死体とかが出てきてしまう出だしはなかなかそれらしいんですが。北辺の地であるためか、人々の暮らしはきびしく、事件は解決されても物寂しい後味を残します。

 ディー判事ものは図書館で借りているので、あとがきや解説に直前の挿話があるなど、作中編年順の前後関係が書いてあれば、その順番には借りるんだけど。解説書いてある巻がいつもあるとは限らないので、わからない時はポケミスの番号順に借りて帰るから。読み順はむちゃくちゃであるよ。

『東方の黄金』
『ディー判事 四季屏風殺人事件』(中公文庫・入手困難)未
『中国湖水殺人事件』(三省堂)未
『雷鳴の夜』
『江南の鐘』未
『白夫人の幻』未
『紅楼の悪夢』
『真珠の首飾り』
『観月の宴』
『中国迷宮殺人事件』(ちくま文庫)
『紫雲の怪』未
『北雪の釘』
『柳園の壷』未
『南海の金鈴』未
『五色の雲』(短編集)未

 とりあえず図書館には『四季屏風殺人事件』もあるようなので、予約いれといた。

 ありがたく参考にさせていただきました。
【黄金の羊毛亭】 ディー判事シリーズ


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危ない夏のコーヒー・カクテル [コクと深みの名推理] 4
 4巻の始まりは7月4日、アメリカ独立記念日の夜である。
 舞台はニューヨークを出て、とびきりの富裕層が夏を過ごすイースト・ハンプトン(ロングアイランドに ある、らしい)に移るのだが。
 主人公クレア・コージーはやっぱり働いているのであった。
 ビレッジ・ブレンドのブランド展開に出資したデイビッド・ミンツァーの 依頼で、ハンプトンの夏の話題をさらっているレストラン「カップJ」でコーヒー・ソムリエをつとめている。そのさなか、デイビッドの私邸でパーティーがあれば、そのドリンク関係も取り仕切る。
 そしてやっぱり殺人は起こる。パーティーの途中、サボっていたウェイターが、デイビッドの寝室バルコニーで、死体で発見されるのであった。クレアは確信する。標的は頭痛を起こして席を外したデイビッドではないかと。
 かくて、ねじれた殺人(コロシ)に手掛かりは錯綜するのだが。避暑地のセレブにパパラッチまで登場、愛娘のジョイは普通に青春を謳歌しようとするし、前巻で 区切りをつけたはずの元夫まで出てくるドタバタはあいかわらず。しかし、意外や、ハナシはハードボイルドっぽく展開するのである。
 それにはクレアの前に現れる謎の男の存在も寄与しているのだが。どんな男なのかは読んでのお楽しみ(笑)。

けっこう、おもしろくなってきましたが。
次はまだ、なのかな……と思ったら今月発売でした。図書館に入るのはいつだろう。

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探偵ガリレオ (文春文庫)

評価:
東野 圭吾
文藝春秋
¥ 570
(2002-02-10)
 いや図書館で順番回って来たので借りに行って読んだんですが。ドラマで『ガリレオΦ』を見てたのであのまんま、マッド物理学者探偵ものとして楽しく読みました。1時間かからなかった。
 内容的には借りて正解かな。
 ただねえ、この本がまあ、汚れてるんですよ。
 左手で握って親指の当たるあたりが黒ずんでるのは何度も読めば自然にそうなるし気にしないけど。濡れて乾かしたらしいナミナミは……まあ雨だって降るし、仕方ないとしよう。しかしページの真ん中に大きな油染みがあるのはどんなもんかね。ケチャップ?ソース? いやミートソースかも、って、なんか料理っぽい匂いするし。

 だめじゃん、みんなのものなのに。。。

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ダージリンは死を招く お茶と探偵 (1)

評価:
ローラ・チャイルズ
ランダムハウス講談社
¥ 819
(2005-09-15)
  サウス・カロライナ州チャールストンの歴史地区でティー・ショップを営むセオドシア・ブラウニングが主人公にして探偵役である。広告業界で輝かしいキャリアを築いたものの、十四年目の昇進で管理職になり燃え尽きかかっていた時、またとないチャンスが訪れる。老婦人が経営していた小さなティー・ショップが 売りに出されようとしていたのだ。お茶の達人ドレイトンの助けを得て、ティーショップは順調、ウェブ進出計画を進めている矢先、事件がおこる。歴史地区の 行事の一環として開催したお茶会で、死者が出たのだ。死因は毒物、カップのなかのお茶から同じ毒物が検出された。
 発見者でしかないティーショップ店員が疑われ、店のお茶にも芳しくない噂が流れ、セオドシアは事件の解明にのりだすのでした。
 
 いやまあコージーものだし既読のカフェのシリーズで学習はしたので、わかっちゃいましたが。
 濃硫酸をお茶に入れて人を殺せるんじゃないかとか考える探偵役ってのは初めてだ(笑。

 ヒロインを支える老紳士ドレイトンのキャラと、たわいない日常を読ませる部分は楽しいのとで、星ふたつ、と思いましたが、カバーアートも何だかなあなのでやっぱりひとつ。

 探偵役に快刀乱麻を断ってほしい自分はコージイものは読んではいかんのでしょう。うぬ。

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紅楼の悪夢 (ハヤカワ・ミステリ)

評価:
ロバート・ファン・ヒューリック,和爾 桃子,Robert van Gulik
早川書房
¥ 1,050
(2004-06-11)

 出張旅行の帰途、腹心の部下マーロンと共にディー判事が宿を求めて訪れたのは、酒場、賭場、娼館が集まる歓楽地・楽園島だった。
 空いていたのは曰く付きの紅堂楼だけ。
 それでもと気を取り直した判事の前に、絶世の美女が、死体となって現れる。

 というわけで7〜8世紀ごろに活躍した実在人物をモデルにしたディー判事の推理が始まるのでした。今回は友人ルオ判事に押しつけられた代役だったり。

 謎は謎を呼び、こみいった人間関係は錯綜し、事件は30年前の怪事件へとさかのぼる。
 謎に翻弄され、さしものディー判事も迷走気味だが。この話の読みどころは解明の直後、楽園島の稼業と世の無情に翻弄されたふたりの、末期の場面ではないかと思う。
 もう少し前、伎楼の主が死んだ遊女をあしざまに言うのに、ディー判事は、この稼業が人をゆがめてしまうのだと切り返すあたりはなかなかグッと来るのであった。
 そしてマー・ロン兄貴は、やっぱりいいやつだった。<詳しくは読んでのお楽しみ。

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名探偵のコーヒーのいれ方 コクと深みの名推理1
 トラックバックBOXのお題「コーヒー派ですか?紅茶派ですか?」をながめてたら、思い出したもの。
 ほかにコーヒーが主役の小説って思いつかないんだなあ。ふつうのもの、生活の一部として、あたりまえに出ては来るんだけど、ほんと、ふつうすぎて。

 主人公クレア・コージーはニューヨークのカフェ、ビレッジブレンドのマネジャーに復帰したばかり。
 オーナーであるマダムの息子と結婚、一女をもうけたものの、彼のカジュアルな貞操観念のために離婚して、カフェからも離れ、郊外で娘を育てていたワケで。娘も成長、手を離れたクレアのところに、マダムから復帰の誘いが来る。
 いや、クレアはほんとにコーヒーが好きなのだ。郊外でも生活の支えに雑誌にエッセイ書いたりしていたのだが、テーマはおもにコーヒー。おいしいコーヒーをいれるのに命がけ、っていうか、プライドの源な感じで、手抜きのないコーヒー淹れっぷりの描写も見事だ。
 しかして、ある朝、出勤してきたクレアは思わぬ事態に直面する。
 朝六時に開店しているはずの店が真っ暗で、任せたはずの店員は地下のバックヤードの床で昏倒していた……すわ、事故か殺人か!、ってんで、物語は転がりはじめる。

 ほんと、話をひっぱるっていうか転がしていくのは、クレアの行動力なのだ。おもわぬマダムの陰謀で出現する元夫も振り回されっぱなし(笑。
 元夫だけでなく、渋くてワーカホリックの警部、長く働いてる本業は役者のバリスタや、マダム本人も、実にキャラが立ってて魅力的なのだが。よく言えば天衣無縫な、おばちゃんの行動力で話が転がっていくので、なんかこう、釈然としないところはあったりで、ミステリとして評価するかってーと、きびしい、とおもう。友人ゆうよさんの言う欠点には気づかなかったんだけどね。

 いかしたカフェで展開される、テンポのいい話と、うまそうなコーヒーの描写にひたりたい時にはお薦め。とりあえず、図書館とかで。

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評価:
クレオ・コイル
ランダムハウス講談社
¥ 882
(2006-10-02)
コメント:コーヒー派むけミステリ。いや、エスプレッソ派向けかも。ニューヨークの歴史あるカフェのマネージャーが主人公なんだけど。よく考えると、おばちゃんなんだな(汗。つきすすむ行動力で話が動くので、好き嫌いはあるかも。でも作中のコーヒーはとってもおいしそうです。

評価:
クレオ・コイル
ランダムハウス講談社
¥ 882
(2007-03-31)
コメント:愛娘ジョイがラテン男と別れた! ほっとしたのもつかの間、孤独なニューヨーカーたちがパートナーを探して集う出会い系サイトに登録すると言い始める。何をしようとしているのか知っておかねばと、自分も登録したクレアを待ち受けていたのはやっぱり事件だったのです。全体、とくに幕切れが大味だが、コーヒーのうまさは変わらず。
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一角獣の繭 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社ノベルス―建築探偵桜井京介の事件簿 (シI-19))
 図書館で棚に建築探偵シリーズがあるのを見つけて、3冊ほど借りてみた。。。むむむ。深春視点で京介を心配しつつ振り回される話は楽しいんだけど。薬師寺香澄こと蒼メインの話は厳しいんだって気がついてしまったわけで。
 要するに好みの問題っていうか、読者として自分が変わってしまったんだと今更ながら思います。
年とってしまったってことなのかもしれません。
 このシリーズを読み始めたころは、シリーズで初めて目にするというか、その存在を知るものやコトが多かったんだな。明治期の洋風建築とかね。そういうことへの興味に引っ張られてた部分も大きかったんだな。
 年をとり、ガチャガチャいろいろなものを見聞きし半端なネタを溜め込むにつれ、シリーズについての関心は、各登場人物と関係性に収斂してきたのだと思う。
 世情もかわってきた。特異な事件は、特別な場所で起こるもんだと思ってたけど、そうじゃなくなってしまった。たとえば、ネグレクトしかり。状況自体は嘆かわしいと思うのだが、変化はいかんともしがたい。

 蒼こと薬師寺香澄のいるところ。人ぎらいの桜井京介に守られ、またさらに人情家のタフガイ栗山深春に守られた特別な場所。第三部、薬師寺香澄もさすがに成長するにつれて、その場所は崩壊しはじめ、『一角獣の繭』でははっきり訣別が告げられる。
 栗山深春はおそらく、善意の普通の大人である読者大多数の、いたたまれない気持ちを代弁してもいるのだろう。たとえば、ネットで連絡をとりあい死に赴いた人々のニュースに、車の窓を叩き割ってももう一回だけ失敗させられたら少しは違うんじゃないかと思ったことがある人はいると思うのだが、そんな「雨ニモ負ケズ」を地で行くようなことを、そうそうできるもんでもあるまい。

 こんな変化の背後に何かの作為、いっそ悪意があってくれたほうが、救われるのかもしれない。去年の6月刊のこの本は、そんな現実を写しこんでいる。
 そして確かに、個々の人間の思いとは関わりなく世界を動かす意志が、作品世界には存在し、終局へ向けて動いていくのだが。
 現実には、そんなものはない。それは、わかっているし、探偵物の読後感想に書くことではない。そもそも長い人気シリーズの読者にとっては無意味と思うのだが。
 いや探偵とか薬師寺香澄が気に入ってなければ読み続けないと思うし。気に入ってるキャラなら、この先どうなるのか知りたいのは当たり前だよね、ということですが。
 そしてワタシはその時、深春――特別な場所を守りながらも外側にいる男は、どうするのか、知りたいのであった
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雷鳴の夜 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
 昨今続いていたような雷と豪雨に耐えかね、判事の一行は山中の道教の寺に雨宿りする。なんとそこは若い女の変死事件が三件も相次いで起こった寺だった。
 時代は古代中国だし、舞台は山奥、地獄図を彫像の活人画に仕立てた回廊が迷宮のように続く大刹である。しかも祭日、衆生済度(というと仏教かもしれないが)の芝居のために役者も客もひしめいている一夜の出来事なのである。
 あれよと言う間に事件は展開し、ディー判事は謎を解く。
 それをどんどん楽しめばいいのであった(笑)。
 古代中国衒学趣味もイケると思うが、わたしゃ相当、修行が足りませんでした。
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