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ちくちくと『キノの旅』を
キノの旅―The beautiful world
キノの旅―The beautiful world
時雨沢 恵一
電撃文庫 (0461)/メディアワークス
ISBN: 4840215855 ; (2000/07)
¥557 (税込)

シリーズ

いや断続的に読み続けてる訳で。
キノはとにかく、旅をする。
モトラドというか喋るバイクに乗り、銃とナイフで武装していて、同じ町、いや国にいるのは3日だけ。深い関わりは基本的に持たない。
物語は時系列順には並んでおらず、むしろ自由に時をさかのぼる。キノという名が彼女のものでなかった時代にも。
その名を受け取り、彼女が育てられる、いや鍛えられるシークエンスに限って、例外的に人間関係が成り立っているのだが。
それ以外のエピソードでは時系列は何も意味を持たないように思える。鍛えられた後、キノは変わったように思えない、ということだ。

これはまあ、寓話なのかな。
三日間だけ滞在する旅人の存在が触媒となるのか、人々はその国のありようの典型を、生死のかかわる些か極端な状況下に晒して見せる。
三日間の出来事だろうと、1冊の物語にできないはずはない。いやむしろ、ふさわしい細部のある物語として語られれば、掌編では収まらないのではないか。
あえてそれを書き込まず、細部をガシガシと削り落としてある。読者はその空隙に幾らでも自分の望むリアル、そして意味を読みとることができるのだ。

ちなみにワタクシは寓話は苦手だ。ラ・フォンテーヌのように、ニヤリと笑った著者の顔が見えそうなのは特に。

それなのに、なぜまた読み続けるかと言えば、この作家の文章に妙に引き込まれるのと。例外的な鍛えられる彼女のエピソードがどうなるのか、追いかけたい気がするからだ。これもまた、削ぎ落としの物語に自分の読みたいものを見ようとする、読者の精神作用に他ならないのだが(笑。

| 折原偲 | 読んだヨ。 | comments(0) | trackbacks(0) |
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