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赤い星 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
 ひさしぶりにSF。というか、新しいSF、かな。
 作家名で追いかけてる人なら説明も今更というかおなじみの、電脳ネットワークばかりが発達した世界で。帝政ロシアの支配を受ける江戸、その吉原を舞台に、皇帝のご落胤を追いかけて、転石を追うように物語は進む。
 サイバーな話はいろいろあるが、パンクなのは珍しい。いや、自分でそう思うだけで、本作がパンクじゃない可能性は高いのだが。
 冬のロシア、修道院の僧坊から世界を映し出す序章はいっそ見事だ。

「(略)世の中には、あらかじめ分かりやすい回答を用意してやらないと一篇の物語を読むことさえできない人たちがいる。賢者たちの中にもいるのだ。現実的な人々は皆そうだ。だが、矛盾するようだが、それでは現実を把握することはできない。何故なら、現実は分かりやすい回答を前もって用意しておいてはくれないからだ。お前は賢い。だからこそ言っておく。回答は用意されていない。回答などというもの自体が妄想なのだ。 物語はそう思って読み、人生はそう思って生きなさい」20p
高野 史緒 『赤い星』ハヤカワSFシリーズ Jコレクション/早川書房
(文中傍点部分を下線で示した)


 師から弟子に告げられる訓戒は、すなわち読者たるわれらへの警告だろう。
 読者たるもの、じゅうぶんに現実的でなければ、本作のような、容易に依拠できる現実が作中に存在しない作品には追随できないはずだが。ひ弱な現実感などすべて振り捨て振り回されるのもまた得難い体験なのではないか。
 そう思わされる、生きてるサイバーパンクに、久々に出会った。
 ペダントリーの苦手な人には向かない話かもしれないが、ネタは分からなくてもダイナミズムに身を任せるコツさえつかめれば、おもしろいと思う。

 星ひとつ減は価格(汗。文庫なら買いましたが、これだと図書館に行くしか。

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| 折原偲 | SF | comments(0) | trackbacks(0) |
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