なんでも本棚。

まあちょっと欲しいかなと思った本とか、最近気になってる本とか、いろいろ。
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『いたずら妖精ゴブリンの仲間たち』東洋書林
bk1
迷宮には、かならずゴブリンが住んでいるらしい。ものの本によれば、敵意・悪意を持つ精一般をこう呼んでいるそうだ。だからどこの異世界、ダンジョン、いやさフィールドにも、ゴブリンが住んでいないわけはないのである。たいてい身体は小さく、見た目はよろしくない。頭に「ホブ」がつくと、毒気が抜かれるらしいが、それはさておき。
この本には、あるゴブリン王が建設したラビリンスに住んでいた、ありとあらゆるゴブリンたちが登場する。気怠げな美形なはずの王は残念ながら登場しないが、かれらのバリエーションと魅力に富んだ容姿、個性的な行状を堪能できるのは、ゴブリン画家ダッシュの走り書きを、ゴブリン研究家にしてワイン好きの酔いどれブライアン・フラウド氏が、ちょっとした運命のいたずらで発見してしまったからである(笑)。
という魅力的な見立てで始まる本書は映画『ラビリンス―魔王の迷宮―』の、ブライアン・フラウドの美術設定をもとに、その脚本を手がけたテリー・ジョーンズとの共作になる、架空のゴブリン王国のガイドブックである。絵はもちろん『フェアリー』(こちらはアイルランド伝説のそれ。アラン・リーと共作)で『ダーク・クリスタル』なブライアン・フラウドだし、テリー・ジョーンズときては『エリック・ザ・バイキング』なうえに〈モンティ・パイソン〉なのだ。ドライな可笑し味がすばらしい。
| 折原偲 | 書籍流発掘日記 | comments(0) | trackbacks(0) |
『塵よりよみがえり』レイ・ブラッドベリ;中村 融訳/河出書房新社
bk1
多少ともSFのお好きなかたなら説明不要だろう。レイ・ブラッドベリの連作短編集である。しかも、たとえばウィアード・テイルズの求めていた伝統的な怪談ではないなど、いろいろ訳ありでバラ売りされ、『黒いカーニバル』の「旅人」、『10月は黄昏の国』の「集会」など、幾多の短編集に収録された名編を中核として、新たに編み直した一族の帰郷の物語なのだ。訳者の思い入れが訳文にも光る佳品。
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『趣味は読書。』斎藤 美奈子/平凡社
bk1
読書人には軽視されがちであり、いや読みたくない、読まなくてもわかる、お金出して時間を割いてまで読む気がしない、と、さんざんな言われようのベストセラーを、じゃあ読んで中身を教えてあげましょう、というのが、この本のもとになった連載のコンセプトである。読者はおもに中高年かそれ以上の男性、教養主義寄りと想定されている。
書評誌やブックガイドをひもとくと猛然と本屋に行きたくなるワタクシだが、この本は違った。なんというか、楽しみとしての読書も省エネ構造を免れないんだなあ、と思ったことでした。おのれを顧みてもそう思うし(汗。
平凡社だししかたないかもだが、内容知ってたら1500円は出さなかったと思う。文庫600円なら、なんとか。
| 折原偲 | 書籍流発掘日記 | comments(0) | trackbacks(0) |
『天使の世界』マルコム・ゴドウィン/青土社
bk1
西欧の伝承の基層にある「天使」のイメージのあらわれを、網羅的に集めた本。ちょっと思い出せないことがあって、発掘してきたもので、初版は10年前です。
あらためて見ると、実にさまざまな天使がいることに驚かされます。ミカエルはそのじつカルデアの神であり、その信者をとりこもうとして、いい扱いをされているのだとか、来歴ばかりでなく。
三面六臂の阿修羅像どころじゃなく頭と手がついてたり、人よりは戦車に似ていたりする姿を、豊富な図版で参照できるあたり税抜4700円もむべなるかな。
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オスプレイ戦史シリーズきたる
オスプレイ社のあのシリーズ、というと、通のかたは英語版のほうがピンと来るかもですが。新紀元社から日本語版が出てますので、買ってみています。一冊1800円なり。
1『グラディエイター 古代ローマ剣闘士の世界』bk1
2『イングランドの中世騎士 白銀の装甲兵たち』bk1
3『馬上槍試合の騎士 トーナメントの変遷』bk1
2と3を書いたのはロンドン塔の王室武器庫の甲冑部門最高責任者なんだそうです。
専門家の文章がリアルな画風のイラストで補強されて、すばらしく分かりやすい、ある意味、実用的な本だったり。
いや、何に使うってわけでもないんですがね(笑
もっと絞り込まれているメンアットアームズのシリーズは34巻出ています。
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ハーレクイン・ロマンスについて。
『レディの真実』ハーレクイン・ヒストリカル 購入?→ bk1
↓前項に関する注意書き。
いわゆるロマンス小説についてはみなさんご存じでしょうから説明は省くとして。
ヒストリカルとは、ハーレクイン・ロマンスのなかに舞台が現代でないものを集めたシリーズです。多いのは、そうですね、古い方だと中世、十九世紀くらいのエドワード王朝とかビクトリア王朝時代のヨーロッパ、あと開拓時代のアメリカ。
精霊や魔女など、超自然的な存在が真面目に信じられていた時代の物語で、という、程度にはファンタジー関連ですが。
それでもやっぱりロマンスですから、殿方は手を出しちゃだめです。
少女漫画といっしょで、女性中心の恋愛物ですから。おれは何でも面白がれると自信があるひとは腕試しもいいでしょうが、読後の苦情は受け付けません(笑)。
| 折原偲 | 書籍流発掘日記 | comments(0) | trackbacks(0) |
『レディの真実』ハーレクイン・ヒストリカル
購入?→ bk1
富裕な独身貴族アンバーリー卿は、ムーアのはずれのさびれた街道筋で、見過ごせない状況を目にします。銃を手にした男が四輪馬車を止め、降りてきた女性となにやら押し問答をしているようなのです。イベリア半島でのナポレオン戦争に将校として従軍、生還した彼は、帰還兵たちの苦しい生活も知り抜いていましたが、みすぼらしい身なりの女性を御者も馬丁も助けようとしないままにしておくわけにはいきません。
しかし銃を抜いて駆けつけた彼を、女性は気丈にも退けます。見た目には、金持ちの女性の貧しい付添人にしか見えない彼女に再会したのは、貴族の夜会の席でした。
美しく装い、ピアノを弾きながら歌う彼女の姿を、彼は人を欺く企みゆえと思いこみます。しかしその美しい声と姿、はたまた窮地を切り抜ける機知と勇気ゆえにか、余人にその疑いを告げぬまま、彼女の真意をはかろうと近づくのです。
謎の女性こと、ヒロインはイザベラ・ウィンスタンレー、貧しい付添姿は世を忍ぶ仮の姿で、実は富裕な相続人で、という種明かしは20ページも読み進まないうちに出てきます。ヒーローたるアンバーリー卿の視点では謎解きもありなのですが、物語の主眼は主役ふたりが相愛に気づくまでの胸の内のさぐり合いなんですね。なにしろ、ロマンス小説ですから。結末はもちろんハッピーエンドです。
このシリーズはいつも300ページちかいので、二転三転する筋立てに、ネタや運びによってはつきあいきれないこともあるんですが。自分のやりたいこと、自分らしさがはっきりしてるヒロインに、わかろうとする気持ちがある廉直なヒーローのとりあわせはわたし好みで、最後まで楽しめました。
| 折原偲 | 書籍流発掘日記 | comments(0) | trackbacks(0) |