2010.09.07 Tuesday
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2008.09.29 Monday
貧乏っぷりは変わらないのだが、悠揚迫らぬあたりはやはり育ちがいいからか。 大藩ではないにしろ藩政の中核にある家柄で、江戸にあっても経世済民のための修養を忘れない、言ってみりゃ優等生タイプなはずだが。むやみと偉ぶらないところがいい感じだ。市井で行き会う人々も、その美質に感じるところがあるわけで、それはときに、垢に染まっていない、と形容される。はっきりと喪失を伴う感覚を共有できるのは、年取ったせいかもしれないなぁ、とか、しみじみ思ってみたり(汗。 このシリーズ、1巻目でも経済とくに貨幣経済の仕組みが絡んでくるのがこの特徴なのだろう。貨幣の銀の含有量から、額面での流通に切り替わる時ならではのゴタゴタ、その波及する様子と、収束に芝居がかるところが素人にも面白かったのだが。 その修羅場に抜刀し命をやりとりした経験が、2巻では剣の技前に凄みを与えている。「春先の縁側で日向ぼっこをしている年寄り猫のよう」と評される構えはそのままに。 内藤新宿の荒仕事も生き延びながら、持ち前の義理堅さで新しい繋がりを作っていく一方で、古いしがらみが追い掛けてくる。タイトルの寒雷の坂は、終局のクライマックスに登場し、劇的な幕切れとなる。 いや、もう、このさきどうなるんだろう……たのしみだ。 JUGEMテーマ:読書
2008.09.28 Sunday
いや、旧友とらくんがこのシリーズをずっと紹介してたので、興味はあったんですけどね。 手合わせで相対しても「縁側で居眠りしている年寄り猫のような」と剣の師匠に評される、居眠り磐音のシリーズなのである。1巻なので、かれが浪々の身となる経緯も書かれていて、なんかこう生々しいのだが。 当人、剣の達人のくせに、至って恬淡としている。うまいものを前にすると話しかけられても生返事で、さっぱり聞いてないとか、子供っぽいところもある。 そのせいか、貧乏生活も重すぎず読みやすい。 さっそく、続きも予約しました。 テレビは……見忘れた(笑。 JUGEMテーマ:読書
2008.09.27 Saturday
ひさしぶりに都内に出た帰りに寄りました。 めあては他にあったんですが、ブレイク中らしい男子向けアニメの原作漫画が棚に残っているはずもなく。 ていうか立ち読み客がぎっしりで驚いた(汗。 これじゃ新刊売れないワケだよ……。 といいつつ、なにも買わないのも寂しいので、文庫・新書フロアをさまよい、みつけてしまいました。 もう図書館順番待ちで二ヶ月ばっか待ってる《身代わり伯爵》シリーズを、4冊。 ビーンズ文庫なのでBLとは縁もゆかりもありませんよ、ねんのため(笑)。 読みました。4冊読み終わりました。中断はあったけど、3時間ちょい、くらい。 途中で「アレこれダレだっけ」が発生しましたが、かまわず読み続ければ、娯楽小説の場合、だいたい解決するわけで(笑。 いやまあ、面白かったです。 ライトノベルってこういうものだったな、と、思いました。 ファンタジーと書いてはあるけど、架空歴史物はファンタジーとしか分けようがないもんな(笑。王がいて貴族がいて、貴公子と姫君がいる世界で、おもな舞台は宮廷で。話の背景というか、具体的に起こってる事件は宮廷の陰謀なんですが。 話の主人公は、まきこまれる元気少女です。パン屋のひとり娘、庶民の育ちで、雄々しくて天然で奥手で(笑。いやもう、この主人公のミレーユのキャラが立った時点で、この話は成功なんじゃないかな。 なんで庶民のお嬢ちゃんが身代わり伯爵なのかっていうと、生き別れの双子のお兄さんがいて。お兄ちゃんが養子に入った先が公爵家で、あとつぎは伯爵なんだな。 ある日、ミレーユのところにたよりが来て、つれてかれてしまうのです。なんかずっと文通してるんだけど、この子たちは。いやそれはともかく。 お兄ちゃんが駆け落ちしたので、しばらく代役をつとめてくれという。 体格も幼いというか目立たないし(笑)、みすてておけないし、と、引き受けてしまったミレーユは、予想もしなかった宮廷の陰謀を目の当たりにし、巻き込まれることになるのでした。 てなもんで、それぞれの巻で華やかな宮廷、いつしか忍び寄る陰謀、ひきおこされる争いと、後始末が語られるわけですが。 シリーズをひっぱる大きな力になっているのは、ヒロインと相手役のじれったいような進展と、その恋の帰趨なんだと思いますね(笑。これがたぶん、コバルト読んでた人たちが成長してみんなレディコミとかハーレクインに行くかってーと、そうでもないという、日本の女性読者の求める話のツボなんだろうと思います。 いや美形どうしの陰険漫才すれすれのやりとりとか、華やかな宮廷の人間ドラマとか、そういう部分もワタクシは好きですが、正直、いままで語り尽くされてきた感はあるのですよ。シリアスでヘヴィな話は陳腐化するのも早いし。 奥手な恋の行方ばかりでなく、謎めいた相手役の正体とか、いろいろ進展するシリーズは好評継続中で、10月頭(実際には今月末刊行)には6巻も出ちゃうんですよ。 ……あと2冊は新刊で買うかな(汗。 JUGEMテーマ:読書
2008.09.22 Monday
赤道上に、戦後最大規模の鼓笛隊が発生した。 なんのアナロジーだかは言うまでもないが「弱めながらマーチングバンドへ」のところに、ちょっとひっかかるだろう。鼓笛隊といえば小学校の運動会につきもののアレで、マーチングバンドのほうが奏者も規模も大きいはずであるのだが、その逆説的なチカラで、現代日本人の根っこに隠れている何か、とくに違和感を浮き彫りにしてみせる手並みはなかなかに見事だ。 現代と違和感を扱っていながら、その書かれようは、半歩引いた堅実さを感じさせる。見慣れた名前の手練れの短編を読んでいるような、そんな手堅ささええるのだ。 デビュー作が『となり町戦争』とは信じられないような気がする。 それでもなお感じられる新しさは、語られる違和感が、日常のなかにあってなお、新しいからなのだろうと思う。 短編のインパクトとしては「鼓笛隊の襲来」はさすがにタイトルストーリーになるだけあるのだが、「象さんすべり台のある街」もいい勝負だろう。現代性なら若さの不安と向き合う「彼女の痕跡展」か「覆面社員」だろうか。 個人的にはやはり「突起型選択装置(ボタン)」か。 うなじの少し下、外からはみえないところに、ボタンのある女が現れる。持とうとして持ったのではない、自分でじかに見ることもできない、ボタンは実のところ禁忌である。ひとは言葉でも手の指でも、ボタンに触れようとはしない。万一触れたらどうなるか、知ろうともしない。言葉通り「得体の知れないもの」として、ボタンはただ忌避され、遠巻きに見張られる。 カタストロフィやカタルシスのない幕切れに、他者と深く関わることをためらう自分を見る気がする。 そして物語上の「ぼく」と「彼女」が、ふとしたことで入れ替わりかねないこと、それがこの話の恐怖なのではないかとも思う。 NHK-BSの「週刊ブックレビュー」で評を聞いて図書館に予約、3ヶ月くらいは待ったとおもうが、待って良かった感じで。 JUGEMテーマ:読書
2008.09.21 Sunday
要するに好みの問題っていうか、読者として自分が変わってしまったんだと今更ながら思います。 年とってしまったってことなのかもしれません。 このシリーズを読み始めたころは、シリーズで初めて目にするというか、その存在を知るものやコトが多かったんだな。明治期の洋風建築とかね。そういうことへの興味に引っ張られてた部分も大きかったんだな。 年をとり、ガチャガチャいろいろなものを見聞きし半端なネタを溜め込むにつれ、シリーズについての関心は、各登場人物と関係性に収斂してきたのだと思う。 世情もかわってきた。特異な事件は、特別な場所で起こるもんだと思ってたけど、そうじゃなくなってしまった。たとえば、ネグレクトしかり。状況自体は嘆かわしいと思うのだが、変化はいかんともしがたい。 蒼こと薬師寺香澄のいるところ。人ぎらいの桜井京介に守られ、またさらに人情家のタフガイ栗山深春に守られた特別な場所。第三部、薬師寺香澄もさすがに成長するにつれて、その場所は崩壊しはじめ、『一角獣の繭』でははっきり訣別が告げられる。 栗山深春はおそらく、善意の普通の大人である読者大多数の、いたたまれない気持ちを代弁してもいるのだろう。たとえば、ネットで連絡をとりあい死に赴いた人々のニュースに、車の窓を叩き割ってももう一回だけ失敗させられたら少しは違うんじゃないかと思ったことがある人はいると思うのだが、そんな「雨ニモ負ケズ」を地で行くようなことを、そうそうできるもんでもあるまい。 こんな変化の背後に何かの作為、いっそ悪意があってくれたほうが、救われるのかもしれない。去年の6月刊のこの本は、そんな現実を写しこんでいる。 そして確かに、個々の人間の思いとは関わりなく世界を動かす意志が、作品世界には存在し、終局へ向けて動いていくのだが。 現実には、そんなものはない。それは、わかっているし、探偵物の読後感想に書くことではない。そもそも長い人気シリーズの読者にとっては無意味と思うのだが。 いや探偵とか薬師寺香澄が気に入ってなければ読み続けないと思うし。気に入ってるキャラなら、この先どうなるのか知りたいのは当たり前だよね、ということですが。 そしてワタシはその時、深春――特別な場所を守りながらも外側にいる男は、どうするのか、知りたいのであった JUGEMテーマ:読書
2008.09.20 Saturday
タイトルの1巻と2巻『蛇民の兵団』で原書一冊分だそうだ。 エディングス夫妻は《ベルガリアード物語》と《マロリオン物語》で、《魔術師ベルガラス》と《女魔術師ポルガラ》で。同じ歴史を3度(《マロリオン物語》はいちおう別の話として書かれているので)語ってるわけで。 (たららんと書いていて気がつきましたが、既刊シリーズについては厳しくいうとネタバレしてたので、折り畳んでおきます。) JUGEMテーマ:読書
2008.09.17 Wednesday
買った本を置いておくあたりを探したら、出てきたのは『あの花に手が届けば』。第二部だよこれ(汗。あやうく『故郷に降る雨の声 上』を注文するところでしたが、あやうくふみとどまりました。オンライン書店の注文履歴に入ってたので。ダメじゃん自分。 捜索範囲をひろげて発見、三冊ほぼ一気読了。いや、面白かったです。 好きな作家で好きなシリーズだし、わたしは楽しいんだが、読者は選ぶかもしれない。 架空世界の架空文化の架空戦争なのでファンタジーにしか分類しようがない感じで。また、そこがリアル戦史が好きな人にはかえってひっかかりどころ多いかもしれないし。 新しい仲間ができたり、いろいろあるんだけど、傭兵隊の、だいたい戦場の日々を描いていく話で。いやまあ局地戦を生き抜く中隊規模の傭兵隊なら当たり前だろうが、話の大きな柱ってか、どこに行き着くか先が見えないんである。そのなかで展開される人間ドラマがストーリーの眼目な訳だ。毎週襲ってくる敵とひたすら戦い続けるロボットアニメとちょっと似てるかもしれないが、かなりマニアックかなあ。 1を読んでからだいぶ経つので、大筋忘れてるだけかもしれないけどね。 いや、極限状態の体験を共にすると、強固な絆ができるはずで。そのつながりがもっと読みたいと思うのは、キャラ主導の物語好きには自然なことだよな。 マニア度含めて星5つ(笑。つづきがたのしみです。 JUGEMテーマ:読書
2008.09.17 Wednesday
しかし読後、コピーにまとめたくなるようなポイントがないのだ。自分としては。 9.11を、その後を生きる若者を書き続けることに意味はあるのだろう。この作家の原型であるJUNEもの(市場的に言うとBL)の系譜につながる《硝子の街にて》、一般向け多分1作め『PARTNER』に続く三回目だとしても。 読者としてのワタクシが《硝子の街にて》、さらに遡る《デスペラード》を忘れられないせいだろうとは思う。この2作のような訴求力は感じられないのだ。残念ながら。 主人公の次郎は、大学受験で燃え尽きてドロップアウトしかかっている、日本人としてはどこにでもいそうな若者なのだが。逃げるように選んだ留学先のニューヨークで、9.11を生き延びる。それが彼をして、消防士として生きる道を選ばせるのだ。 しかし共に生き延びて伴侶となった女性との関係が、ぴんと来ないのだ。ふたりで体験を共有しあう関係も、悪くないと思う。生きていくのに必要ならば。ただまあ、このままだとタイトルのCallingにふさわしい変化を主人公にもたらすためのお膳立てっぽい印象が拭いきれない。 もちろんまだ1巻だし物語は始まったばかりだ。 今後に期待するってことで星4つ(笑)。 JUGEMテーマ:読書
2008.09.08 Monday
21世紀末のある日から、突如として魔法が現実のものとなったアメリカで、魔法よろずトラブルコンサルタント、つまり私立探偵をやってる魔法使いのファーストネームがハリーなのは、発表年代からして偶然と思われる、と、後書きにはある。 壷直し少年と共通項があるとすりゃ、魔法のスタイルかもしれない。体系化され、インプットとアウトプットが一対一で対応しているような、そんな魔法だから。 大きな違いは、ドレスデンは大人で、自分の本質である魔法と向かい合い、仕事として魔法とかかわり、実社会で生きているってことだ。 そして情動の望むまま留まることはせず、なすべきことをなす。徒手空拳同然で死地にむかうのだ。 これは英雄のすることだなあ、と、思うのだ。 このセンでもハードボイルドがサマになっていて、なかなかである。同時並行の事件が収束していく展開が手に汗握ると同時に、気を抜けず、勢いで一気読了。面白かった。 強いて言えば、これはアンノウン型なんだろうな。その辺が自分としては物足りないところだ。先月出た2巻に堺三保さんが解説書いたってんで去年出た1巻を読んでみようと思った訳ですよ。図書館で予約待ちはなかったし。 新刊当時は……実は文庫FTの魔法探偵スラクサスは挫折したしマジカルランドはもう買わなくていいやってなもんで手をだしかねてた訳で。 まあ、ハードボイルド好きなのと、それほどムリせずハードボイルドに合う近未来世界なのが大きかったかもしれません。 ファンタジー好きでもハードボイルドいまいちな人には難しいかな。 自分も買えばよかったってほどではなく。図書館にハヤカワ新刊入るのは2〜3ヵ月先なので、悩みどころです(笑)。 JUGEMテーマ:読書
2008.09.07 Sunday
ギガジン「秋の新作アニメ」でチェック。
とある魔術の禁書目録 公式サイト AT-X:10/9(木) 13:00〜 バンダイチャンネルで無料配信予定 地上波U局もあり。 黒執事 公式サイト TBS:10/3(金) 25:55〜 夜桜四重奏 公式サイト TBS:10/2(木) 25:29〜 テイルズ・オブ・ジ・アビス 公式サイト TOKYO MX:10/3(金) 21:00〜 これは見られないかもしれないなあ。 バンダイビジュアルなので前話Web配信があるとうれしいけど。 天体戦士サンレッド 公式サイト 川崎市一部地域での戦いらしいのでTVKでしか放送決まってないようだ。なんなんだか(汗。 鉄のラインバレル 公式サイト TBS:10/3(金) 26:25〜 GONZOだ。 ガンダムダブルオーセカンドシーズン 公式サイト MBS・TBS系列:10/5(日) 17:00〜 しばらくハマってたし(汗、1期は全部見たしで、結末は見届けないとな(汗。 喰霊―零― 公式サイト 地上波U局。 黒塚 アニマックス:10/7(火) 22:00〜/27:00〜、10/11(土) 22:00〜 公式サイト 伯爵と妖精 公式サイト 地上波U局。 コバルトの同タイトル小説が原作。 魍魎の匣 公式サイト 日本テレビ系:10/7(火) 25:29〜 マッドハウス制作。 キャラデザCLAMPって。いやキラキラした美形なのは榎木津だけだとおもうが(汗。とりあえず文句は見てからだな(汗。 タイタニア 公式サイト NHK-BS2:10/9(木) 23:32〜 これは全話録画確定……DVDROM買わないと。 ミチコとハッチン 公式サイト 2008年10月15日よりフジテレビにて毎週水曜深夜放送! レギュラー放送時間 26:08〜 神霊狩/GHOST HOUND 公式サイト 地上波U局。 いちおう初回は録画して、見て、その時の気分で続きを録るか決める感じで。 夏までだと、追いつくくらい見てるのは「夏目友人帳」「ソウル・イーター」くらい。この2本は保存してない。ハマり症の自分には珍しいです。 「アリソンとリリア」、「RD」は録画しただけになりそう。 「精霊の守り人(再)」は保存してある。原作あってこそのアニメだけど、アニメとしてもすばらしいと思うのであった。 来季の期待はやっぱり「タイタニア」かなあ。どう決着するんでしょうね。 絵として見てみたいのは「鉄のラインバレル」。 「ガンダムダブルオー」は辛い展開が待ってるの分かり切ってるけど。見ないではいられないんだろうな(笑。 JUGEMテーマ:漫画/アニメ |
テルーの唄 (ゲド戦記 劇中挿入歌) (JUGEMレビュー »)
手嶌葵, 宮崎吾朗, 寺嶋民哉 すぐれた楽曲に、出てきたままの素直な声が活かされた佳品。歌詞はまあちょっとアレだ、「こころ」って言い過ぎ。 これに合った作品になっているのか、とりあえず、映画を見定めようと思った。
金春屋ゴメス (JUGEMレビュー »)
西條 奈加 人が月に住むような未来なんだが、ここの日本には「江戸」がある。あるったらある(笑。文章もこなれた時代物で謎解きったら捕物帖、っていうより昔のテレビの「大都会」な感じで、面白いっす。 いやファンタジーノベル大賞ものなんで、「……それムリだから!」ってツッコミ入れたくなるような突拍子も無さがあるんだけど。そこがまたいいんだね。 |
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