2010.09.07 Tuesday
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2008.10.31 Friday
猫は寝子というくらいで、まあ猫の仲間の肉食獣ってたいていそうなんですけど、ゴハンと安全が確保できると、実によく寝ます。ウチのなんか一日20時間以上寝てます(笑)。 まあ、大人の猫が何しててもカワイイってのは、よほどのマニアか、猫飼いなので。 ふつうに猫の好きな人、かわいい存在が好きなひとにお薦めといえば仔猫でしょう。 寝姿ばかりのカレンダーってどうよ、と、思わなくはないけど、これがカワイイんだ。 近所の書店で見て、瞬間、射抜かれた感じなんですが、もう自宅用には岩合光昭さんの猫カレンダーを買ってしまったので(卓上まで!<バカですな自分。猫バカ)、こちらで紹介。というかメモ。 なんかこう、きゅーっと奇声をあげたくなるような。ほわほわぬくぬくが伝わってくるカレンダーです。 プレゼントにもいいかも。 JUGEMテーマ:ペット
2008.10.29 Wednesday
久しぶりにハードカバーを買った。
理由? そりゃ図書館じゃ待ちきれないと思ったからだ。 アイオワ州スペンサーで、その冬いちばんの冷えこみになった朝、町立図書館の返却ボックスのなかで鳴いていた仔猫が、図書館で飼われ、職員や来館者だけじゃない、世界規模のアイドルになったなんて、猫好きとしては読まずにいられようか。 午前中に配達があって、その日の夕方には読み終わっていた。 なんというか、図書館猫デューイの話なんだけど、デューイの猫っぷりに終始した、いわゆる猫本ではないのだ。 もちろん、かわいい、かしこい、時には可笑しい猫らしさが十二分に書かれていて、猫好きなら何度もニヤニヤすること間違いない。 しかしデューイは図書館猫であると同時に、図書館の館長にして、第一の飼い主と言うべき著者の、人生中盤の伴走者だった。 デューイをみとったあとも変わりなく日々を過ごしても、重苦しく胸に迫るペットロスの悲しみと向かい合うために書かれた、著者の半生記の色彩が強い。著者の体験と辛苦は、しばしば女性であることの不幸に傾き、切実に訴えかけてきます。 しかし、うちひしがれ世界の片隅に我ひとりと感じる瞬間、寄り添ってくれる温かな存在の好ましさは状況を書き込んだうえで語らないと、伝わらないものかもしれないな、とは思いました。『民子』クラスは別ですけどね。 その不在と向き合うには、かれの助けで凌いできた辛かった状況や、できごとと、もういちど向かい合わなくてはなりません。状況を作り出した原因をどんどん遡っていけば、半生をそのまま書いてしまうことになるのですが。著者自身にとっては、これだけ全部書くことが必要だったんでしょう。 ものを書くことはセラピーにもなる、読者という他者の目を意識することで、体験が対象化されるからだ、とは、忘れもしない、中島梓『小説道場』で読んだのですが。 自分史というか体験談だと対象化の距離が、すごく近く感じられます。著者の辛さの細部に実感がわかないと、いわゆる苦労話として流して、猫のことだけ読めるかもしれません。しかし共感するほど近い位置(性別とか年齢とかペットロス体験)にいると、悲しい、辛いという訴えが響きすぎるかもしれない。猫好きに薦めるんでも、相手の状態を見極めたほうがいいです。マジで。 でもさ。 ほんとに、デューイはなんていい猫だ、18年も一緒にいてくれたなんて。 これを読むたびきっと涙出そうになると思うので、サクッと売るの決定。どこかで見ず知らずの猫好きを泣かすといいさ。 JUGEMテーマ:読書
2008.10.29 Wednesday
発見者でしかないティーショップ店員が疑われ、店のお茶にも芳しくない噂が流れ、セオドシアは事件の解明にのりだすのでした。 いやまあコージーものだし既読のカフェのシリーズで学習はしたので、わかっちゃいましたが。 濃硫酸をお茶に入れて人を殺せるんじゃないかとか考える探偵役ってのは初めてだ(笑。 ヒロインを支える老紳士ドレイトンのキャラと、たわいない日常を読ませる部分は楽しいのとで、星ふたつ、と思いましたが、カバーアートも何だかなあなのでやっぱりひとつ。 探偵役に快刀乱麻を断ってほしい自分はコージイものは読んではいかんのでしょう。うぬ。 JUGEMテーマ:読書
2008.10.22 Wednesday
出張旅行の帰途、腹心の部下マーロンと共にディー判事が宿を求めて訪れたのは、酒場、賭場、娼館が集まる歓楽地・楽園島だった。 空いていたのは曰く付きの紅堂楼だけ。 それでもと気を取り直した判事の前に、絶世の美女が、死体となって現れる。 というわけで7〜8世紀ごろに活躍した実在人物をモデルにしたディー判事の推理が始まるのでした。今回は友人ルオ判事に押しつけられた代役だったり。 謎は謎を呼び、こみいった人間関係は錯綜し、事件は30年前の怪事件へとさかのぼる。 謎に翻弄され、さしものディー判事も迷走気味だが。この話の読みどころは解明の直後、楽園島の稼業と世の無情に翻弄されたふたりの、末期の場面ではないかと思う。 もう少し前、伎楼の主が死んだ遊女をあしざまに言うのに、ディー判事は、この稼業が人をゆがめてしまうのだと切り返すあたりはなかなかグッと来るのであった。 そしてマー・ロン兄貴は、やっぱりいいやつだった。<詳しくは読んでのお楽しみ。 JUGEMテーマ:読書
2008.10.21 Tuesday
感染し発病すれば必ず死に至る伝染病の最初の兆候は、顔一面の紅潮である。
赤とはいいがたいその色から、病は The Scarlet Plague と呼ばれた。 物語はその後の世界で語られる。 流行が始まり全世界に広まって、世界が崩壊したのは2013年、そこからすでに六十年がすぎている。当時大人だった最後 のひとり――カリフォルニア大学の英文学の教授だった老人が語る死病の伝播のさまは古くて新しく、1910年代初頭の作品とは思えないほどだ。 そう、スペ インかぜの世界的流行ですら1918年〜1919年なのだ。 運にも恵まれたとはいえ、想像力と判断力を働かせて生き延びてきた老人も、年若い孫に面倒を見てもらわなくては、その日を生き延びることもおぼつかないほど老いて、弱っている。 弱った老人をからかっては笑い、病原菌を説明しても理解しようとせず、部族の呪術師のおどしに怯える若者を見て、文明の喪失をかれは嘆くのである。 いやはや。現代日本でも、その喪失は日々迫っていることのように思えるのであった(汗。 科学文明の破滅がなくても。 著者は『野性の呼び声』のジャック・ロンドンその人で、ジャック・ロンドン選集5巻にも収録されている。 そして、世界SF全集31にも収録された、ディストピアSFなのであった。 野性の世界と、野性に帰した人間の真に迫る描写が、文明の喪失と荒廃に迫力を与えている。 書かれたのはおそらく1910年代前後であり、時代的な制約はあるが。さすが、と思える一編でした。 JUGEMテーマ:読書
2008.10.14 Tuesday
トラックバックBOXのお題「コーヒー派ですか?紅茶派ですか?」をながめてたら、思い出したもの。
ほかにコーヒーが主役の小説って思いつかないんだなあ。ふつうのもの、生活の一部として、あたりまえに出ては来るんだけど、ほんと、ふつうすぎて。 主人公クレア・コージーはニューヨークのカフェ、ビレッジブレンドのマネジャーに復帰したばかり。 オーナーであるマダムの息子と結婚、一女をもうけたものの、彼のカジュアルな貞操観念のために離婚して、カフェからも離れ、郊外で娘を育てていたワケで。娘も成長、手を離れたクレアのところに、マダムから復帰の誘いが来る。 いや、クレアはほんとにコーヒーが好きなのだ。郊外でも生活の支えに雑誌にエッセイ書いたりしていたのだが、テーマはおもにコーヒー。おいしいコーヒーをいれるのに命がけ、っていうか、プライドの源な感じで、手抜きのないコーヒー淹れっぷりの描写も見事だ。 しかして、ある朝、出勤してきたクレアは思わぬ事態に直面する。 朝六時に開店しているはずの店が真っ暗で、任せたはずの店員は地下のバックヤードの床で昏倒していた……すわ、事故か殺人か!、ってんで、物語は転がりはじめる。 ほんと、話をひっぱるっていうか転がしていくのは、クレアの行動力なのだ。おもわぬマダムの陰謀で出現する元夫も振り回されっぱなし(笑。 元夫だけでなく、渋くてワーカホリックの警部、長く働いてる本業は役者のバリスタや、マダム本人も、実にキャラが立ってて魅力的なのだが。よく言えば天衣無縫な、おばちゃんの行動力で話が転がっていくので、なんかこう、釈然としないところはあったりで、ミステリとして評価するかってーと、きびしい、とおもう。友人ゆうよさんの言う欠点には気づかなかったんだけどね。 いかしたカフェで展開される、テンポのいい話と、うまそうなコーヒーの描写にひたりたい時にはお薦め。とりあえず、図書館とかで。 JUGEMテーマ:読書
2008.10.14 Tuesday
春風駘蕩と剣風殺伐が同居する〈居眠り磐音江戸双紙〉シリーズ3作目。
貧乏話を読んでいると、つい忘れてしまうが、坂崎磐音は関前藩の中老の家の跡取りなんである。お役については藩政の中枢で財政改革を担うべく、江戸勤番のあいだもしかるべき知識をおさめるのに怠りなかったのである。 志を抱いて帰藩した若者たちは心ない偽りの醜聞に巻き込まれ、ひきさかれて、ふたりまで命を奪われる。結果、磐音は心ならずも藩を離れて、江戸の裏長屋に行き着く。 なぜこんなところにいるのかと、国元でなにがあったのかと、ひとに聞かれれば、もう終わった話だと答えるのみであったのだが、終わったはずの話が磐音を追いかけてくる。 3巻は追いかけて来た過去に立ち向かう、そんな話だ。 藩政の裏の陰謀に関して言えば、苦労は報われる。終盤の対決シーンなんかは圧巻の迫力なのだが、磐音じしんは報われるかっていうと……どうも無理っぽい(汗。だってこのシリーズ、30冊くらい出てるわけだし(笑。それだけいっぱい読めるとなれば、そりゃもう楽しみなワケですがね。 さて、続きを予約しなくちゃ。 JUGEMテーマ:読書
2008.10.12 Sunday
△「ガンダムダブルオー セカンドシーズン」
あいかわらずだのう……。いや、一期と比べてってことですよ。 現実に行われていることを、自分はしない、というサジの選択は。個人の意志によってなされたのなら、尊重されるべきだと思う。場合によっては、相当に勇気のいることだ。 しかし同時に、そりゃ解決にはならんじゃないかね、と思ってしまうワケよ。大筋になる話の柱を期待して見ている側としては。 どうにもならない、出口なしの状態に、ガンダムを持ち込んでみたところで、どうにもなりませんでした、という第一期の繰り返しになるのか。そうではなく、予想外のブレイクスルーそしてカタルシスを持ってこられるよう五年後を作り込んでいくのか。 自分としては、繰り返しにならないことを祈るわけですが、のぞみうす、かもなあ。シリーズとしての指向性もそっちっぽいし。 いや、気に入ったキャラが出てきて活躍するってだけで、見ることは見るんですけどね △「夜桜四重奏」 広義の退魔物、かな。 ツンデレ町長、ふりまわされる相談所所長の絡みを主な彩りに、世界やいざこざを見せていく話、なのかな。原作は少年漫画だし、アニメも深夜枠とはいえ原作読者層を意識したつくりに見えるので、いろいろな要素がいかにも分かりやすいのは当たり前として。退魔物である、という以上の大ネタはあるのかなあ。どうかなあ。 △「喰霊―零―」 CGモンスターただし霊体で不可視なのだが物理的な力を及ぼす(ボコッたり燃やしたりできる)存在をやっつけようとする集団ヒーローものなのかなと思ったらみんな殺されちゃうし(^-^;。 「喰霊」って漫画があって、その話が始まる前のエピソードだから「零」なのらしい。連載漫画のファン向けに作られてるとすれば、設定とかさっぱり解らないのはそういうものかと思えるが。 アクションはかっこいいし、話の舞台なども面白いのだが。皆殺しなのだ(^-^;。これからどうなるんでしょうね。 ●「鉄のラインバレル」 いつか正義の味方になれる日が来ると信じる少年のもとに、天空から巨大な機械が降下する。裸の少女とともにw。 シシュンキのもやもや、劣等感、様々な考えなしの言動のもたらす行き違いが話の主筋だと、青少年男子には感情移入しやすいんだろうが。年取ったなあとか思ってるようじゃ、精神的にも範囲外確定ってことだな(笑。 作画だけで追いかけられるかっていうと……CGメカ絵や動きはさすがにいいなあとおもうんだけど。キャラクターの、頬に陰影の代わりに斜線が入るような鉛筆のタッチを残した主線に平板なアニメ塗りの顔がどうも……ダメっぽい。デフォルメや原画のゆらぎが過ぎて人の顔と見るのが難しいのは、今の絵柄は見慣れてないせいもあるとは思うけどね。 そんなこんなで、脱落確定(笑。 ●「黒執事」 初回挫折。いろいろ、期待と違ってたので。 「とある魔術の禁書目録」と「黒塚」は未見。 「伯爵と妖精」は唯一カブっていて、これも未見。 △「魍魎の匣」 カブってたのはこれなんですが。 なんか月蝕歌劇団ばりの、暗黒少女歌劇世界なんですが、こんな話だっけ? 原作も戦後混乱期の喋りじゃなかったわけですが、アニメだとますますギャップありまくりで、木場刑事登場まではほぼ倍速とぱしでした。 しかしまあ絵の勢いってか押しの強さで見せる少女漫画的世界は意外な落としどころかも。書かれるはずの事件はカストリ雑誌的な猟奇というか低俗というか、そういうレベルなんだが、原作の書きようで耽美やや幻想に読めてしまうわけで。それを絵でやるには、閉じた世界観が必要だしね。 もうちょっと見よう。 ○「タイタニア」 えー、まあ、ファンなので。田中芳樹先生というよりか、銀英伝のファンだなあ。 比較してしまうのはしかたないことと言いつつ、富山敬さんはもういないし<キャラが違います。 絵は全然もう違う訳で。制作側の乗り気とやる気が伝わってくるので、ちょと楽しみです。 これで原作の続きが読めれば、いうことないんですがね(笑)。 「ミチコとハッチン」 は未放映。 「天体戦士サンレッド」はニコニコ動画にて最新放映分のみ公開中。いや、これはちょっとなあ(笑。 けっきょく確定は「タイタニア」と「ガンダムダブルオー セカンドシーズン」という、予想通りの結果でした(汗。 JUGEMテーマ:漫画/アニメ
2008.10.11 Saturday
作家名で追いかけてる人なら説明も今更というかおなじみの、電脳ネットワークばかりが発達した世界で。帝政ロシアの支配を受ける江戸、その吉原を舞台に、皇帝のご落胤を追いかけて、転石を追うように物語は進む。 サイバーな話はいろいろあるが、パンクなのは珍しい。いや、自分でそう思うだけで、本作がパンクじゃない可能性は高いのだが。 冬のロシア、修道院の僧坊から世界を映し出す序章はいっそ見事だ。 「(略)世の中には、あらかじめ分かりやすい回答を用意してやらないと一篇の物語を読むことさえできない人たちがいる。賢者たちの中にもいるのだ。現実的な人々は皆そうだ。だが、矛盾するようだが、それでは現実を把握することはできない。何故なら、現実は分かりやすい回答を前もって用意しておいてはくれないからだ。お前は賢い。だからこそ言っておく。回答は用意されていない。回答などというもの自体が妄想なのだ。 物語はそう思って読み、人生はそう思って生きなさい」20p 師から弟子に告げられる訓戒は、すなわち読者たるわれらへの警告だろう。 読者たるもの、じゅうぶんに現実的でなければ、本作のような、容易に依拠できる現実が作中に存在しない作品には追随できないはずだが。ひ弱な現実感などすべて振り捨て振り回されるのもまた得難い体験なのではないか。 そう思わされる、生きてるサイバーパンクに、久々に出会った。 ペダントリーの苦手な人には向かない話かもしれないが、ネタは分からなくてもダイナミズムに身を任せるコツさえつかめれば、おもしろいと思う。 星ひとつ減は価格(汗。文庫なら買いましたが、これだと図書館に行くしか。 JUGEMテーマ:読書 |
テルーの唄 (ゲド戦記 劇中挿入歌) (JUGEMレビュー »)
手嶌葵, 宮崎吾朗, 寺嶋民哉 すぐれた楽曲に、出てきたままの素直な声が活かされた佳品。歌詞はまあちょっとアレだ、「こころ」って言い過ぎ。 これに合った作品になっているのか、とりあえず、映画を見定めようと思った。
金春屋ゴメス (JUGEMレビュー »)
西條 奈加 人が月に住むような未来なんだが、ここの日本には「江戸」がある。あるったらある(笑。文章もこなれた時代物で謎解きったら捕物帖、っていうより昔のテレビの「大都会」な感じで、面白いっす。 いやファンタジーノベル大賞ものなんで、「……それムリだから!」ってツッコミ入れたくなるような突拍子も無さがあるんだけど。そこがまたいいんだね。 |
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