なんでも本棚。

まあちょっと欲しいかなと思った本とか、最近気になってる本とか、いろいろ。
スパム避けにトラバ一定時間拒否しています。
<< January 2009 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| スポンサードリンク | - | - | - |
"もてなし"の楽園
評価:
オノ ナツメ
太田出版
¥ 683
(2006-05-18)

評価:
オノ・ナツメ
太田出版
¥ 683
(2007-08-28)

評価:
オノ ナツメ
太田出版
¥ 683
(2008-04-17)

  ひょんなことで『リストランテ・パラディーゾ』アニメ化を知って、コミックス買ってみたりしたわけだが。
 いや、SFでもファンタジーでもない漫画って久しぶりだったので。

 美味しい料理が出てくるのは、リストランテならまあ当たり前なわけで。
 しかし、いくら「おいしい」と書かれていても、漫画である以上、味そのものは読者の経験から来る想像の範囲内にしかないのだが。その美味がもたらす至福、供されるさいの気遣いは、味わう人間の表情に表れる。

 そこに説得力を感じるかどうかが、分かれ目なわけで。

 この作品では、年を経て練れた男たちの気遣いと、そこに至るまで、それぞれに背負っている物語が、説得力の支えになっているわけで。その心地良さげなこと、若いハンサムじゃ、こうはいかないと思うのだ。もちろん、年取れば我を通す術も身に付くし、一徹だったり偏屈だったりもするので、ひたすら紳士というわけではないのだが(笑。

 続刊『GENTE 1』『(同) 2』もそんな感じで、市井の人々の暮らしが淡々とつづられている。

 わたしは割と何か起こる話が好きなので。いや天変地異とか天体発見とかファーストコンタクトとか、妖精が出てきたり別世界に行ったり、殺人事件とか謎解きとかね。
 このシリーズみたいな話ばっかりだと、飽きちゃうと思うけど。
 時々はいいね。

JUGEMテーマ:漫画/アニメ
| 折原偲 | アニメ・コミック | comments(0) | trackbacks(0) |
タルト・タタン、その他の夢
  下町の片隅にある小さなビストロ、パ・マルのシェフは三舟忍という。
 長めの髪を後ろで結び、無精髭をはやして、無口なありさまはシェフコートを着ていてもサムライのようなありさまである。十年以上も修行していたフランスで「ミフネというからにはサムライなのか」と聞かれるあまり、そのようにしたのだという、伝説ともつかない曰く因縁が語られている。
 フレンチといっても家庭料理主体で、カウンター7席、テーブル5卓と小規模なのと、オープンキッチンも手伝って、お客にあわせたメニューを供するのが、パ・マルのいいところだろう。
 多彩な家庭料理の食材、料理法を熟知してるだけでなく、お客の状態を見て状態を推理し、即座に組み合わせることができなくては、なかなか上手くいくものでないのだ。
 その能力を料理以外にも発揮するのが、この短編集である。
 ハッピーエンドの、何ていうか、いわゆるいい話ばかりでないのがいいんだな。喪失のやるせなさも正面から描かれる。ひとときの味わいのために手間隙かけられた料理の存在が、きっかけでもあり救いでもあるのだ。
 『リストランテ・パラディーソ』の絵で脳内動画にならなかったのは、やはり日本的な話であるからだろう。かといって『おいしい関係』の槙村さとる絵にもならないんだけどね。

JUGEMテーマ:読書

| 折原偲 | ミステリ | comments(0) | trackbacks(0) |
『ほんとうの環境問題』って何?
評価:
池田 清彦,養老 孟司
新潮社
¥ 1,050
(2008-03)

評価:
池田 清彦,養老 孟司
新潮社
¥ 1,050
(2008-10)

 ほんとうの環境問題、それは、なんかおかしいぞと思っても、なにがどうおかしいのか問題点をクリアにするためだけでも、いろいろ調べなくてはならないことかもしれない。

 なんで今この本かってーと、もとはNHK-BSの「週刊ブックレビュー」だったのだ。
 昨年11月29日放送の回で『正義で地球は救えない』が取り上げられていた。
 泉麻人氏のお薦め本だったのだが、氏の評は特に記憶に残っていない。いろいろ考えさせられた的な、常識的なものだったのだと思う。
 同じ書評ゲストの吉田伸子氏は「レジ袋は捨てるような油で作られていると書かれていた。マイバッグを使わない自分が正しかったのだとわかった」(大意)と言っていた。

  ……ちょっと待て。そんなハナシは聞いたことないぞ。

 そんなことが『正義で地球は救えない』には書いてあるのかと、図書館に予約を入れて、順番がまわってきたというわけであった。

 スーパーマーケットのレジ袋を使わずに買い物にはエコバッグを持っていこう、という運動の強制もおかしい。レジ袋は、レジ袋の材料に用いられなければ廃棄されるしかないような低劣な質の石油から作られている。タダ同然の廃油から作られているからレジ袋はタダなのだ。上質な材料から作られるエコバッグよりレジ袋を使うほうが資源の有効利用になっているのである。
同書18ページ

 この本は『ほんとうの環境問題』への反響を受けて刊行されたものだそうで、こちらも確かめてみたところ、レジ袋について同様の記述があった。

 たしかに、エコバッグ持参運動の「強制」はおかしいとワタシも思う。
 しかしレジ袋はタダじゃないぞ。小売りで買うにはLサイズ1枚2円以下のところはなかなか見つからない。スーパーへの納入価格はもっと安いだろうが、いくらだろうと、そのぶん、コストとして売値に上乗せされている。
 レジ袋の素材はだいたいポリエチレンである。石油を精製する過程で生成されるナフサを原料としている。ナフサからガソリンやベンゼン類が分留できるし、残りをさらに分解してポリエチレンの原料となるエチレンとする。
 まあ、ガソリンやベンゼンを精製した残りといえば残りだし、昔は捨ててたのかもしれない。化学工業は石炭や原油を燃料として精製する過程で出る副産物を原料として活用するところから始まった、と、昔読んだ『アニリン』にも書かれてたし。ナフサは原料としては安いのだそうだ。

 でもね、産物が幅広く使われている今でもゴミ扱いかってーと、そうじゃないでしょ(汗。

 実際の化学工業の工程までは検索で辿り着けなかったので、レジ袋用ポリエチレンを作らなければ捨ててしまう原料油は存在しない、と断言することはできない。
 しかし、レジ袋の使用量を減らすと、そのぶんのナフサがごっそり捨てられてしまう、という状況はありそうにない。ポリエチレンの用途は広いのだ。ポリバケツだってビールケースだって、ブルーシートだってポリエチレンなんだよ。

 『正義で地球は救えない』というタイトルの意味は、人口増のもたらした地球環境の破壊は、二酸化炭素排出量を減らすだけでは解決できない、ひとつの命題だけを守り続ける硬直した行政の現状では環境の改善なんかできやしない、もっと自分の頭で考えよう、ということのようだ。

 それ自体はまことに当を得た問題提起だとワタシも思うのだが。
 一般読者にわかりやすい細部の確認を怠っていては、説得力は感じられない。
 
 この2冊を通読すると、いま言われている「環境に良い」「地球に優しい」(という表現が噴飯ものであることには基本的に賛成だが)ことの論拠が実に疑わしいものに思えてくる。
 じゃあ、どうすればいいのか、それについては、なにも書かれていない。
 これがいちばん困ったところだ。
 そこから自分で勉強を始めれば、まったく問題ないのだが。現時点では、やる意味のあることは何もない、つまり、なにもやらなくていい、という結論に飛びつく言い訳になっちゃうんじゃないかなあ。

 そして。
 京都議定書を認めた各国首脳は50年もすれば皆生きていないのであり、責任ある決定とは言い難い、そんな先のことは誰も責任持てない、ということを繰り返し書かれている。
 読者の大半は、子や孫、年老いた自分の生きる50年後を心配するから、こういう本を読むんだと思うんだけどなあ。著者は50年後には他界されている可能性が圧倒的に高いから、どうでもいいのかもしれないが、とかいう下衆の勘ぐりをしてしまうのであるよ。

 専門知識のある有識者としてテレビでコメントしてる人の本だからって、丸飲みはアカン、と。
 いまさらながら勉強したのでした。なんか疲れたよ。

JUGEMテーマ:読書


| 折原偲 | 自然科学 | comments(2) | trackbacks(0) |
時間封鎖〈2分冊〉 (創元SF文庫)
JUGEMテーマ:読書

 ある夜、地球は封鎖された。
 未知の力によるシールドに閉じこめられ、外界から隔離されたのだ。太陽は毎日昇るけれど、あきらかに封鎖以前とは異なる姿をしている。そしてその外では、たいへんな勢いで時間が流れていた。

 SFでなくては有り得ない世界、有り得ない展開なのだが、そこではポール・オースターばりの、緻密なドラマが展開されている。驚天動地なアイディアなくしては、このオーソドックスな物語展開が可能にならなかったあたりがまた心憎い。
 高度な設定に必要最低限の人物と物語を盛ってSF小説として売られている例は結構出くわすのだが、それ以上の何かを盛れないってわけじゃないのだと、しみじみ思った。

 オースター調の物語展開は主流文学寄りで、これで評価されたというのはなるほど頷けるデキなのだが。主流文学寄りってことはつまり、旧態依然たる社会というか人間の精神構造から離れられなかった、ということでもある。

 世界の中心に父と息子がいて、息子は父に逆らい、ブレイクスルーを導くことで、父の築いた世界を壊す。
 そして女性は主筋から排除されている。産み、育て、看取る存在としては受け入れられるが、女性が自分の意志で動けばすなわち、父と子に対して罪をなす。
 こういうオイディプス話の展開は先が見えるし、疎外される側の性に生まれてしまった者としては、正直、またかと苦笑しつつ読み進む以外ないのだ。

 まあ、この話は、科学的に高度な架空の構造を構築したSFの弱点、つまり、高度な科学知識と識見を持つ人物――多くは科学者――でなければ事態を収拾する主人公になれない、物語を導くファクターとしては読者から離れすぎてしまう部分を、主人公役でなく脇役に視点をおくことで回避している。
 視点のおかれた人物は父の息子ではなく、主筋からは疎外されている存在であるせいか、なんとか読み通せたのだった。

 しかしこの作品の疎外は、古来連綿と受け継がれてきた男社会の、女性排除というか憎悪、つまりミソジニーのあらわれという以上の広範囲に及んでいる。

(略)スピンの実態が公表され八年を経た時点においてさえ、スピンが「自分自身および家族に対する直接的な脅威」と認識している一般市民は、ヨーロッパと北アメリカにしかいなかった。アジアとアフリカ、そして中東のほとんどの国の人びとは、これはアメリカの陰謀である、あるいは、昔のスターウォーズ計画を蒸し返したあげくの重大事故に違いないと思いこんでいた。

 なぜそう思いこめるのか、一度ジェイスンに訊いたことがある。

「かれらに、なにを理解させる必要があるのか考えてみればいい。世界にはニュートン以降の天文学の知識を全然もっていない人がおおぜいいる。自分と家族を養うために、動植物性廃棄物(バイオマス)を拾い集めることが生活のすべてだとしたら、月や星について本気で考える必要性なんか感じるか?(略)」

『時間封鎖〈上〉』96ページ


 アジア人としては大いにひっかかるところだが、まあ小説だし、実状として否定もできないなあと思うしで、さておくとして(笑。
 長すぎるので引用できなかったが、この後段で、SFの読者は科学的な外挿を重ねて大きな構造を理解する思考実験に慣れているので特別、みたいな言及はあるので、気にならないのかもしれない、というのはあるのかもしれないが。ある実験――世界全体のブレイクスルーを導く試みを可能にするための壮大な仮構として、この長大な物語が書かれたのであれば、このとんでもない切り捨ても枝葉末節というか、必要の前にはしかたないこと、なのかもしれぬ。

 しかしSFはずいぶんいろいろなものから、わたしたちを自由にしてくれたんだなあ、と、思う本でもありました。

 以下は蛇足なうえ、ややネタバレかと思うので畳んでおく。

評価:
ロバート・チャールズ ウィルスン
東京創元社
¥ 987
(2008-10)

評価:
ロバート・チャールズ ウィルスン
東京創元社
¥ 987
(2008-10)
続きを読む >>
| 折原偲 | SF | comments(0) | trackbacks(0) |
『なぜわれわれは怪獣に官能を感じるのか』

評価:
唐沢 俊一
河出書房新社
¥ 1,785
(2003-07-24)
  Webを流していて著者の言及に気が付いたので図書館で借りてみた。

 とっくにお気づきとは思いますが、ふつうに怪獣ものの好きな人には用がない本です。
 怪獣のいかなる部分がフェチ心を刺激するか、という話が冒頭溢れていて、また実践的なので。そんなの心外だと思う人は多いだろうなあ。女子はドン引き。
 いやそんなふつうの人は、このカバーの唐沢俊一編著の本は選ばないだろうし心配することじゃありませんが。

 いちおう通読しましたが。「基礎篇」は萌え傾向の違う人からツボと言うかオカズを説明されてるようなもんで、ふーんそうなんだ……以上の感想はありません(汗。

 ただ、戦後日本、そしてシュルレアリスムと画家の関係が反映された「ウルトラ警備隊前後史」「ダダとブルトン」は面白かったす。
 このごった煮っぷりが、河出というか。さすがこの著者ではあります。

JUGEMテーマ:読書

| 折原偲 | 評論 | comments(0) | trackbacks(0) |
「リストランテ・パラディーゾ」アニメ化
評価:
オノ ナツメ
太田出版
¥ 683
(2006-05-18)

  フジテレビ水曜深夜枠を「NOISE」というのだそうだ。
 いま「ミチコとハッチン」を放映してるところ。

 その第2作目に「リストランテ・パラディーゾ」が来る、というのは11月ごろの発表だったらしいが、公式サイトにスタッフ発表があり、動き出してるらしい。

 原作気になってたんだよナー。どうしようかナー。

 ↑
 けっきょく買いました。楽天のポイントで……。

JUGEMテーマ:漫画/アニメ

| 折原偲 | アニメ・コミック | comments(0) | trackbacks(0) |
駆け出し魔法使いとはじまりの本 (創元推理文庫)

評価:
ダイアン デュエイン
東京創元社
¥ 945
(2008-10)
 面白かった。
 むりやりコピーを考えると……「駆け出しでも魔法使い! いま何が出来る?」ってとこかな。
 基本、児童向けっていうか、十代前半のYA対象だと思うので、そういうのも面白く読める人向け。
 ほかの創元推理文庫の翻訳ファンタジーはおおむね一般向けなので、この本は児童むけの体裁で出したほうがよかったんじゃないかと思うくらい。

 「ファンタジー好きだったよね?」と聞かれて嬉しくないファンタジー好きは少ないと思うのだが、その次の質問が実に悩ましい時期、というのはしばらくあった。

 「ハリー・ポッターみたいなのもっと読みたいんだ。ああいうの、ない?」という。

 まあなんというかハリー・ポッターが爆発的に売れたのは、ああいうの、これまで無かったからなんですけどね(笑。ファンタジーと一口に言ってもいろいろだし、また、ハリポタのどこが面白かったんだか、個人差もある。それでもファンタジー好きは増えてほしい。だから悩む。

 てなワケで同様の質問に、アメリカの図書館司書がお薦めにあげたのが本書なんだそうである。

 なるほど、共通点は多い。図書館というから、尋ねるのは子供がおおいんだろうと思う。

 まず、子供が主人公。いじめられたりとか、家庭環境とか、自分ではどうにもならない問題を少なからずかかえている。
 それまでまったく知らなかった魔法の世界に足を踏み入れるという、ドラマチックな展開がある。
 魔法の力は生得の才能で、方法論を学べば技能として習得できる。

 似てる要素はこれくらいかな。

 魔法の才能は血統で受け継ぐものではなく(<ここ重要)、技能は自ら学ぶものなので、寄宿舎つきの学校は登場しない。魔法の授業はないけど、いきなり魔法を使う、あるいは使わねばならない場面に放り込まれるのである。
 導きの書はそれぞれ現れるのだが、各人、生活のなかで、魔法の技を磨くわけで。もちろん社会のあちこちに、さまざまな魔法使いたちが紛れ暮らしていて、導きを求めれば得られることもある。

 いやまあ、魔法の力でいじめっ子をやり込める場面もあるんだけど。
 やりっぱなしで寄宿学校に行ってしまえるわけではないし、フォローされているのが自分的には最大の違いかも。

 また、このあたりが図書館司書をはじめとする、大人の本読みに好まれる要因ではないでしょうかね。
 いったん完結したシリーズがリクエストで再開されたのは喜ばしいことです。
 続きは買うかなあ。たぶん。
 それより続刊出るまでに『ホアズブレスの龍追い人』を読め自分。

JUGEMテーマ:読書

| 折原偲 | ファンタジー | comments(0) | trackbacks(0) |
恋のドレスと運命の輪―ヴィクトリアン・ローズ・テーラー
  あけましておめでとうございます。
 今年もなんとか、読んだ本のメモ程度でも続けていきたいな〜、と、思い出しては書き込む状態になりそうですが。よろしくお願いいたします。

 新年一冊目は『恋のドレスと運命の輪』。シリーズ7作目である。
 読んだのは去年なんだけどキニシナイ(汗。

 5巻で揺れ動いたクリスをしばし慰めるように、6巻『恋のドレスと硝子のドールハウス』と、この7巻では闇のドレスを駆使する謎の女は登場しない。
 かわりに、というか、近代以降のイギリスを舞台にした小説に時々見かける、アメリカ青年が登場する。型破りでタフで、礼儀知らずで。心に決めた目的に突き進んでいく。
 この話のラリーも例外ではない。
 ドレスを頼むサーシアが色々飲み込んでしまう大人の女性であるだけに、話に動きを持たせるには効果的なのだが。そういう役割ばっかりではないところが、この話らしいところだと思われる。

「(略)……昨夜、何かあったのかな」
「そんなのじゃないと思うわ。もともと仲が良かったのよ」
「そのわりには、ちっとも話してなかったけど」
「たくさん話せば通じるというものではないわ」
「……うん」
 ラリーはうなだれていた。サーシアは手を伸ばして、ラリーの手に軽く触れた。

 
『恋のドレスと運命の輪』207ー208p

 クリスの作るドレスに、なにかを引き出されるのは、身にまとうレディばかりではないのであった(笑)。
 そしてサーシアが大人だけに、ひとり抱くやりきれない思いは強い。ラストシーン直前で完成するドレスは幾つもの思いを含んで美しく、繊細でありながら、どこか重かった。 単純な成就では終わっていないのだが、なにがしかラリーに通じるものはあり、幕切れでは、このふたり次第で十分うまくいくだろうと思わせてくれる。

 そして、まじめなふたりらしく、人前では親しい様子もみせないクリスとシャーロックの間柄は、決定的なことは何もなく(笑、物語はふたたび上流階級の社交界にもどっていく暗示で終わるのだ。

 ……続きを、予約しなくては。図書館は5日からだけどね。

JUGEMテーマ:読書


 
| 折原偲 | ライトノベル | comments(0) | trackbacks(0) |